これは夢か?「小豆のせアイス最中」

 暑気で風景が揺れる中、浅草雷門から吾妻橋方面へとぶらり歩きをしていると、「最中アイス250円」という文字が飛び込んできた。砂漠にオアシス。吸い込まれるように近づくと、それが「甘味処 西山」だった。創業が嘉永五年(1852年)という老舗中の老舗だった。不覚にも彦作村長はこの店のことを知らなかった。「梅園」や「舟和」などは有名で、店舗展開も広げている。「梅園」浅草本店の「最中アイス」も賞味したことがあるが、少々期待外れだった。

         西山⑧   
         甘味処「西山」

京都でも本物はひっそりと暖簾を守り続けている。「亀末廣(かめすえひろ)」などはデパートからの出店要請を未だに拒否し続けているという。
「派手に観光客相手の商売をしてるのは、ホンマモンの京都ではありまへんでえ」
京都のグルメ仙人・調布先生が口をへの字にして、かつてそう語ったことを思い出す。

「甘味処 西山」もそういう店かもしれないぞ。店内は「あんみつ」など喫茶コーナーになっていて、そこでも食べれるが、ウマズイめんくい村の財政事情もあり、店頭で売っている安い方の「最中アイス」にしようかと思った。ふと確認すると、「小豆のせアイス最中」(350円)という別メニューが写真入りで目に入ってしまった。抹茶アイスの上に美味そうなあんこがどっかと乗っかっているではないか。うーむ、むむむむ。 

          西山① 
          しばし見とれる

「あのう、この抹茶アイスを小豆アイスに変えてもらうことはできますか?」
小豆マニアの村長としては、ダメモトでそう言ってみた。
「はい、大丈夫ですよ。たまにそういう方もいらっしゃいます。値段も同じです」
優香みたいな女性スタッフが、嫌な顔を一つせずに、最中(もなか)に小豆アイスとあんこをどっかりと乗せて、「はい」と手渡してくれた。下町の江戸しぐさ。

         西山④ 
         これは夢か?

これは夢ではないか? あんこは見事な色ツヤの粒あんで、この店が只者ではないことが見て取れた。入り口の縁台に腰を下ろす。パリッとした最中、小豆アイス、あんこの二階建てのお姿にしばし見とれてしまう。我に返ってから、まずはあんこをひと口。小豆の風味がふわりと立ち上がってきた。甘さはかなり控えめで、塩がほのかに効いている。あえて言うと塩あん。これが絶品だった。

         西山⑤ 
         言葉はいらない

調べてみるとあんこの作り方が半端ではなかった。京都の老舗と同じように、一粒一粒手作業で選別することからあん作りを始めていることがわかった。東京の老舗でもここまであん作りを徹底している店は少ないのではないか。それを代々伝えている。

          西山⑥ 
          クリーミィーな小豆アイス

小豆アイスも甘さを抑えて、まろやかなでクリーミィーな小豆アイスに仕上げている。彦作村長はこれだけの店を知らなかったことに、あんこマニアとして少々恥ずかしさを覚えていた。穴があったら入って溶けてしまいたい。私は小豆アイスになりたい。炎天下で正直そう思った。バカにつける薬はない。



本日の大金言。

犬も歩けば棒に当たる。村長も歩けば、たまにはいいことがある。発見は歩くに限る。




                  西山⑦ 



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プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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