ガパオライスのち隅田川花火

 先週末は刺激的でおもしろい一日となった。約3年ぶりに隅田川花火を仰ぎに行くこととなった。3年前まではある作家の接待を兼ねて、大ボスのカバン持ちで、ぜい沢にも料亭の屋上で約12年間、ほとんど毎年約2万2500発もの花火を楽しんでいた。その作家はすでに亡くなってしまったが、彦作村長は、いつもアヒルの水かき状態で、本当のところは夜空に打ち上がる「一瞬の美の世界」を楽しむ余裕などほとんどなかった。帰りは鎌倉のご自宅まで送ったこともある。宮仕えだったとはいえ、「まことに人生、一瞬の夢」である。

         ライカノ① 
         読めないが、ライカノ

花火が打ち上がるのは午後7時。押上周辺は混むので、それまでの時間を彦作村長は北千住散歩で潰すことにした。ツマミや飲み物の買い物をしなければならない。時計を見ると、午後3時ちょい前。まだ時間は十分ある。ふと、「タイ料理 ライカノ」の看板が目に入った。一度は行ってみたい店だった。本場タイ料理を楽しめる店として、千住っ子の間でも知られつつあるレストランである。3時まではランチタイム。滑り込みセーフ。

          ライカノ 
          タイ料理、恐るべし

中に入ると、見事なチーク材のテーブルが10ほど。タイの音楽がBGMとして流れ、天井煽がゆったりと回っている。奥が厨房になっていて、コック姿の店主らしいタイ人の姿も見えた。タイにはまだ行ったことはないが、そこはタイだった(あらら)。3時ちょい前だというのに6組ほど客が食事を楽しんでいた。若い女性が多い。旨い店には女性が集まる、というグルメの法則が頭をよぎった。シメシメ・・・。

ランチメニューから「パッカパオカイダウ」(スープ付き790円)を選んだ。牛ひき肉とホーリーバジル炒めご飯という説明書き。タイでは定番メニューの一つで、日本では一般的に「ガパオライス」という名称で知られた料理でもある。ガパオとはしそ科のホーリーバジルの意味だとか。香辛料がどのくらい強いか、それも楽しみだった。

         ライカノ コップ  
         錫のコップ!

まず冷たい水の入った錫(すず)製のコップが登場。タイは錫の産地なので、よく考えると、驚くことではないのだが、なぜか心ときめいてしまう。次に大根やキクラゲ入りのスープ。塩味だが、旨い。続いて、ガパオライス(簡単なのでこちらの名称を使うことに)がやってきた。メインの牛ひき肉と赤のパプリカ、タマネギ、それにホーリーバシルが醤油とオイスターソース、それにニンニクなどで炒められ、いいテカリでスパイシーな匂いを発散している。食欲中枢がガバォと刺激される。

         ライカノ③ 
         ガパオライス(パッカパオカイダウ)
         ライカノ④  
         不思議な旨さ

さらに、油で揚げた目玉焼きが、炊き立てのタイ米のライスの上に乗っかっている。デリカシーが感じられない。まずはスプーンで具の方をひと口。予想よりも辛さはない。かなり濃い味で、塩が効き過ぎと思われるほど。だが、ライスを併せて食べたら、その濃い塩分がすーっと消えて行った。う、うめえ! それは「タイ米はおいしくない」と思い込んでいた彦作村長にとっては甘い一撃だった。パラっとしているが、噛むごとにふくよかな甘みがにじみ出てくる。ウエットな日本の米とは別の旨さ。うーむ。濃い具とのバランスが、意外なほど絶妙なことに驚かされる。

          ライカノ⑤  
          あーん

目玉焼きも塩が強い。しかし、食べ進むうちに、それが旨味に変わっていく。不思議な変換。
「この塩は何使ってるの?」
店の人に聞いてみると、ニヤリとして、
「秘密です」
謎はタイの微笑の奥へと消えて行った。

タイ料理、恐るべし。彦作村長はその数時間後、友人宅の屋上で隅田川花火を見上げていた。夜空を彩る花火に一瞬インラック首相の微笑が重なったりした。まことに人生、一瞬の花火。打ち上げは30分ほどで突如大雨に襲われ、中止となってしまった。何ということだ。まことに人生、一寸先は闇・・・。



本日の大金言。

花火のように生きたい。そう念じながら、ハツカネズミのようにペダルをこぎ続ける。時々アルコールを注入しながら。




                 隅田川花火
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プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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