森の中の洋館のシフォンケーキ

 那須高原はスイーツのメッカでもある。この道は避けては通れない。ウマズイめんくい村ご一行は「美味いスイーツ」を探すことにした。那須高原には隠れたスイーツの名店があるはず。彦作村長は目をハートマークにして探索に乗り出すことにした。いつも「ショウゾウ カフェ」では芸がなさすぎる。突然、村民2号が言い放った。
「やっぱりショウゾウにしましょ。ちょっと高いけど、コーヒーがうまいし、スコーンやシフォンケーキもうまい。何よりも雰囲気がステキ。ヒコサクとはえらい違いよ」

長いものには巻かれるしかない。那須街道を「NASU SHOZO CAFE」へ。だが、駐車場は満杯で、アリも入り込む隙がない。メディアがいつも取り上げる超人気店とはいえ、これはおかしい。過剰だ。メディアの情報をうのみにするな。それでも村民2号はあきらめない。10分ほど待っても空きが出ない。コーヒーが切れると、イライラが募る村民2号がついに白旗を上げた。「他の店、探しましょ」。

          ドミアン② 
          看板がポツンと

以前から気になっていた隣の店に行くことにした。隣といっても、林を隔てていて、距離がある。「Cafe Domjan(カフェ ドミアン)」という看板だけがポツンとあるのが不思議だった。外からは建物が見えない。ポンコツ車を止めて、歩くことにした。森の中の洋館、そんな形容詞がぴったりの、どこかヨーロッパの貴族の別荘のような建物が見えた。それが「カフェ ドミアン」だった。

         ドミアン① 
         森の中の不思議な洋館

白を基調にした部屋がいくつかある。オープンテラスもある。それぞれが広くてゆったりしていて、貴族趣味的な落ち着いたインテリア。暖炉まである。
「すごいわねえ」
村民2号がゴージャスな雰囲気にのまれている。客は一組しかいないことが不思議だった。値段が高いのか、あるいは味がイマイチなのか? 村長のそんな懸念はすぐに吹っ飛んだ。
メニューの中から村民2号が「ブレンドコーヒー」(580円)を選んだ。村長も追随。安くはないが、「ショウゾウカフェ」とほぼ同じ。スイーツも売り物のようで、「無敵シフォンケーキ」(セット価格で400円、単品だと480円)を頼んだ。すべて手作りで、パスタやサンドイッチ類もうまそうだった。そちらは今回は我慢がまん。

          ドミアン③ 
          すべて手作りのスイーツ類

イケメンのスタッフと雰囲気のある女性が「無敵シフォンケーキ」とコーヒーを交互に運んできた。白磁の見事な皿に乗った黄色いシフォンケーキ。こんがり色の外側。生クリームとメイプルシロップ、銀のフォークとスプーン。甘い匂いとコーヒーの香ばしさが部屋いっぱいに広がるようだった。ここは日本ではない。

          ドミアン12  
          無敵のシフォンケーキ
          ドミアン⑨ 
          自然な甘い香り

穴場を発見した気分だった。シフォンケーキはふわりとしていて、しかも風味がひと味違った。聞いてみると、卵はフランスのお菓子用に特別に飼育したものを使っているそう。砂糖はブラウンシュガー、それに菜種油でふんわりしっとり感を出しているそう。食材のこだわりが半端ではないことが見て取れた。ほのかな塩分が効いている。生クリームとメイプルシロップもかなりのレベル。

         ドミアン⑧  
         むふふふ

「最初は入りにくかったけど、こんな店があるとはね。世の中ってわからないものね。客が少ないのが不思議。コーヒーも美味い。ドミアンという名前もハンガリーの木版画家の名前から取ったらしいわよ。あまり有名ではない画家の名前を付けるなんて、この店のオーナーはどんな趣味人なのかしら。村長より変人かも」
「手を抜いていない。ホント、不思議な店だよ。ひょっとして、キツネにでもダマされているんじゃないか。生クリームとメイプルシロップで甘さを調節できるようにしてあるのもさり気なく深い。超人気店より上ではないか」
ウマズイめんくい村一行約2人は、ほっぺたを何度もつねるのだった。


本日の大金言。

隠れた名店は確かにある。自分の目と足と舌で確かめること。そこから何かが始まる。




                    ドミアン10 
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プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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