なか卯の新メニュー「衣笠丼」品評

 緊急地震速報の誤報で大揺れの前日、ウマズイめんくい村はすでに揺れていた。京都のグルメ仙人から緊急グルメ速報があったからだ。ひょっとして、気象庁の地震計はこのグルメ仙人の声に反応したのではないか。出がらしのような渋すぎる声で、人によってはセクシーに聞こえる。地下のなまずのセンサーもおかしくなっているかもしれない。
「あーたねえ、なか卯って知ってる?」
「ああ、牛丼とうどんのチェーン店ですね」
「あそこが、衣笠丼を始めてね。一ぺん、いらっしゃったらよろしい。B級の村長にピッタリですよ、ひっひっひっひ」

          なか卯④ 
          東京の衣笠丼!

彦作村長はエンターテインメント新聞社時代の天才的見出しマンの退任慰労会に出席するついでに、池袋で途中下車して、「なか卯(なかう)」の「衣笠丼(きぬがさどん)」を賞味することにした。豊島区役所前店。幟(のぼり)やポスターもあり、「衣笠丼」に力を入れていることがわかった。

          なか卯③ 
          いい雰囲気だ

「衣笠丼」は古くからある京都の家庭の味で、おあげ(油揚げ)と青ネギ(九条ネギ)を出汁を利かせた甘辛醤油で軽く炊き(煮込み)、最後に卵でとじるドンブリ料理。これがメチャうまい。村長も去年、京都で賞味してその美味さに舌を巻いたことがある。安いというのも好感が持てた。ちなみに「衣笠丼」の由来は、見た目が衣笠山に雪がかかった景色に似ていることからそう命名されたというのが定説である。

          なか卯⑥ 
          来た来た

自販機で「衣笠丼」(並390円)を押し、テーブルで待つこと5~6分ほど。黒い和のトレーに乗って、衣笠丼がしずしずと登場した。刻み野沢菜と京風山椒とお茶が乗っている。雰囲気作りがうまい。「なか卯」の和風の戦略は悪くない。京都で賞味したものとほぼ同じだが、色合いが少し派手である。青ネギの緑とおあげのキツネ色、それに卵の色味が強い。

          なか卯⑧ 
          いい景色

山椒をパラパラと振ってから朱塗りの和匙でひと口。甘辛の度合いが強めで、出汁感があまりない。京都で本物を食べていなかったら、普通にうまいと思うような味。ネギは青ネギだが、九条ネギではないのではないか。九条ネギのようなしなっとしたぬめり感と自然な甘みがない。普通のネギの青い部分をぶつ切りした感じ。おあげもきれいに短冊切りにしているが、油抜きと出汁の浸みこみが足りないと思う。

ご飯は固めで村長の好み。卵も健闘はしているが、ふわり感が足りない。ふと、村長の頭の中に「これはひょっとして関東用に味付けを濃いめにしているのではないか」という疑念が浮かんだ。イメージ的には衣笠丼としてよくまとまってはいる。390円という価格も好感が持てる。

          なか卯⑨ 
          悪くない

「なか卯」は元々は大阪でスタートした「和風牛丼とうどん」の全国チェーン店。ドンブリチェーンの中では村長の好みの店である。関西と関東で味に少々変化を付けている可能性はあると思う。ということは関東ではこれは成功するかもしれない。まったりの衣笠丼ではなく、野暮な衣笠丼でいいじゃないか。お茶をがぶっと飲んでから中満足で外に出ると、京都のグルメ仙人の声が空から落ちてきた。
「どないですか? 東京の衣笠丼のお味は。箱根を越えると高尾丼になる、ということですわ。ひっひっひ」


本日の大金言。

本物の衣笠丼は京都で食べるに限る。だが、なか卯の挑戦にも拍手を送りたい。もう少し出汁感があれば、だが。




                なか卯12 
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プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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