酷暑に冷たい栗蒸しようかん

 宇都宮で餃子を食べまくったたついでに、ちょいと北上して、白河の関まで足を延ばした。
あんこシンジケートから「首都圏ではほとんど知られていませんが、絶品の栗蒸しようかんがあります。天皇・皇后両陛下も白河にいらっしゃったときに食べておられます。石川県の松葉屋の栗蒸しようかんにも負けない味です」という情報を仕入れていたからである。

           清壽2 
           いい店構え

情報源はときどき誤報も出す。ダメ元期待半分で白河インターで降りて、駅近くの駐車場にポンコツ車を置いて、その隠れ名店「御菓子司 清壽(せいじゅ)」に向かった。カトリック白河教会の近くに白壁の一軒家があり、それが目的の店だった。創業60年ほどの和菓子屋さんで、水ようかんや大納言鹿の子、さらには手の込んだ上生菓子も作っている。

           清壽③ 
           うーむ、半分半分

店主は愛想がなかった。だが、それも和菓子職人としては悪くはない。要は味で、美味かったら、愛想のなさもいぶし銀の輝きとなる。目当ての栗蒸しようかん「みちのく白河 奥州路羊羹」(1本1050円)を買い求めた。安くはない。

発狂したような灼熱の空の下、ウマズイめんくい村に持ち帰ると、すぐに冷蔵庫に入れて冷やした。十分に冷やしてから賞味となった。見事な本竹皮に包まれた栗蒸しようかんは長さが20センチほど。大栗がゴロッゴロッと入っていて、手づくり感にあふれていた。材料は小豆、砂糖、栗、小麦粉、食塩のみ。栗は蜜煮したものだが、形が凛としていて崩れていず、いい小豆の風味とともに、「おぬし、只者ではないな」という雰囲気を放っていた。これは当たりかもしれない。新たな発見か?

          清壽③ 
          期待が高まる?
          清壽④ 
          何というお姿
          清壽⑤ 
          隠れた逸品か?

百の言葉よりまずはひと口。蒸しようかん独特のもっさりした歯ごたえ。甘さはかなり控えめ。品のいい甘さ。北海道産の小豆から作ったこしあんと小麦粉、くず粉がいいバランスで練り込まれ、竹皮の中で蒸され、田舎娘が妙齢の美女へと変身していったような感覚。大納言小豆が大栗の一歩後ろでところどころに散りばめられているのがわかった。栗のいい歯ごたえとともに口の中で溶けていく小豆の風味。ほのかな塩味。その感触は悪くない。それどころかしばし目をつむりたくなるほどの絶妙な美味さだった。

          清壽⑦ 
         冷たい至福

扇風機をかけながら、猛暑に冷たい栗蒸しようかん。本当は美女の膝枕でウチワをひらひらさせてもらいながら、この冷たい小さな至福を味わいたかったが・・・。
「私の分もちゃんと取っといてね。いつも一人で食べちゃうんだから」
ドアの陰から大の字になった村民2号のお姿が視界の隅に入った。夢と現実。村民2号もきっと同じことを考えているに違いない。


本日の大金言。

隠れた名品を見つけたときの喜びは何物にも代えがたい。自分の足で歩き回らないと、苦里無視よう食わん、となってしまう。ありゃりゃ。





                    猪苗代湖
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

最新記事
カテゴリ
彦作のつぶやき
最新コメント
月別アーカイブ
カレンダー
10 | 2017/11 | 12
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 - -
最新トラックバック
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR