からむし織の里の十割そば

ウマズイめんくい村の怪しい一行はポンコツ車をぷかぷか吹かして、福島・奥会津にある昭和村の「からむし織の里」まで足を延ばした。彦作村長にとっては初めての地。本州では唯一ここでしかからむし織は伝承されていない。イラクサ科の宿根草を木の遠くなるような手順と技術で編み上げる。それで作られた布地は百年は持つと言われる。そのため値段も安くはない。

          昭和村①
          山奥の美味へ

午後1時半に到着。見渡す限りの山また山。彦作村長の本当の目的はからむし織よりも「十割そば」。昭和村は知る人ぞ知るそばの産地で、ここのそばを食べに首都圏からも大勢押し寄せる。今月末の新そば、紅葉の時期には全国のそば通が集まったりする。食い意地の張った彦作村長は、その前に事前調査することにした。広々とした敷地内にある郷土食伝承館「苧麻庵(ちょまあん)」があった。巨大な古民家風の建物を背景に、「手打ちそば」という幟がはためいていた。そこに草鞋を無ぐことにした。

         昭和村②
         モダンな意外性
         昭和村③
         安くはない

店内はモダンな造りで、木造と大谷石が見事に融合していて、手前がテーブル席、奥が座敷という構成。ぎっくり腰の村長はテーブル席に腰を下ろして、メニューの中から「せいろ蕎麦」(850円)を注文。さらに「天ぷら盛り合わせ」(小250円)も頼んだ。「高遠そば」を楽しみにしてきた村民2号だったが、残念ながら「売り切れ」。ブツブツ文句を言いながら、同じものを注文した。

          昭和村④
          素朴と洗練
          昭和村⑦
          素朴な十割そば

待つこと14、5分。見るからに素朴な茶グレーがかった、やや太打ちのそばとカゴに盛られた天ぷら盛り合わせ(小)がやってきた。薬味と抹茶塩も。十割そばは一番粉と二番粉、三番粉を使用しているそうで、つなぎはお湯と水だけ。まずはひと口。ゴワゴワした食感で、コシが強く、新そば前だというのに、風味もそれなりにある。洗練でななく山奥の香り。ツユは昆布とカツオの出汁が効いていて、あっさりとした薄味。悪くはないが、インパクトを求める人にはやや物足りないかもしれない。

          昭和村⑧
          地場野菜の天ぷら

天ぷらはこれで「小」かというほどの量で、コロモがカラリと揚げられていて美味い。しめじ、カボチャ、エゴマの葉など地場の食材が新鮮で、抹茶塩を付けて食べると、洗練すら感じる。そばの素朴と天ぷらの洗練。このアンバランスがモダンな建物と不思議に調和している。

「新そばの時期にまた来ましょう。今度は高遠そばを何としてでも食べたいわ。それとメニューにあった凍み餅も食べてみたい。からむし織は高いから断念するけど、その分は別のものでカバーしてね」
奥会津の青空と深い山々に心を洗われたウマズイめんくい村一行は、波乱含みで昭和村を後にするのだった。


本日の大金言。

雑踏の孤独もいいが、たまには山奥の孤独も悪くない。出来れば高速道路を使わずに曲がりくねった山道を走る。皮膚感覚が研ぎ澄まされる。




                      からむしの里②

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プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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