佐野ラーメンの異端「青ねぎラーメン」

 ラーメン屋の数200店以上という関東のラーメン王国・栃木県佐野市。彦作村長はこれまで何度も足を運んでいるが、体験的にほとんどハズレはなかった。その意味で、全国のラーメン地帯の中でも群を抜いていると思う。その中で、気になる店がある。「青ねぎラーメンの店」として、メディアにも取り上げられる機会が多い人気店「太七」だ。ドンブリ一杯に敷き詰められた青ねぎのビジュアルは衝撃的で、一体どんな味なのか? ウケ狙いの匂いも感じる。

          太七① 
          正午前なのに20分待ち

「ちょいと青ねぎラーメンの正体でも探ってみるか」
彦作村長は畑仕事を中断して、杉作・・・じゃなかった村民2号を引き連れて、ポンコツ車を走らせた。
「佐野は久しぶりね。森田屋以来かしら。佐野ラーメンは青竹打ちの麺も鶏ガラスープもすっきしていて好き。最近は脂ギトギト系が多いけど、体にはよくないし美容にもよくない。値段も高すぎる。あれは中華そばの伝統から外れていると思うわ」
と、美容をほとんど気にしない村民2号。

予定より早く堀米町交差点近くの「太七」に到着。平日の正午前だというのに広い駐車場は3分の2くらい埋まっていて、店の前には7~8人ほど並んでいた。さすが人気店。20分ほど待ちでテーブル席に案内された。村長は目的の「青ねぎラーメン」(750円)と餃子(5個350円)を頼んだ。醤油と塩があるがむろん「醤油で!」。村民2号は「ラーメン」(580円)。

         太七④ 
         グリーングリーン?

10分ほどで餃子が到着。続いて「青ねぎらーめん」がやってきた。写真で見た通りの一面青ねぎ! その合間から湯気がゆっくりと立ち上っていた。中央には白ネギがひと掴み草原のうさぎのように鎮座していた。青ねぎは九州産の万能ねぎで、穴の開いた青ねぎラーメン専用のレンゲですくってみると、厚さは5~6ミリはありそうだった。何という恐るべき徹底。これはありか?

          太七⑤ 
          敬礼ーっ!


レンゲはもう一つあり、それでスープをすくって口に運ぶ。佐野ラーメンの本流のすっきりとしたシンプルな味わい。鶏ガラ出汁が奥に潜んでいる慎み深い醤油スープで、化学調味料の匂いはしない。青ねぎの下から麵を箸で取り出すと、見事な太縮れ麺が現れた。これまで食べた佐野ラーメンの中では一番太く、その平縮れ麺はひらひらしていて、しっかりとコシがあり、しかもツルッとしていて、いい食感だった。青竹打ちの佐野ラーメンとは違う。聞いてみると、「さぬきうどんの製麺機で作ったものを手打ちにしている」そう。うーむ。コシの強さとモチモチ感がどこかさぬきうどんと通じている。

         太七 
         太打ち縮れ麺
         太七⑨ 
         あっさり系のスープ
         太七⑧ 
         隠れてないで出てらっしゃい!

チャーシューやメンマ、ナルトが青ねぎの下に隠れていて、それを探し出す楽しみもある。だが、と彦作村長は思う。目玉であるはずの青ねぎがすべてを犠牲にしているのではないか? 個性的なラーメン故のパラドックス。旨味はそれなりに実感できるが、この青ねぎが次第に邪魔になってくる。「奥へどうぞ」と言われながら、入り口で終わってしまうような隔靴掻痒(かっかそうよう)の感じ。

「ラーメンの方がよかったでしょ? ラーメンは森田屋に負けないくらい旨いわ。餃子はフツーかな」
「色白は七難隠す、ではなくて、青ねぎは旨さを隠す」
「女房はへそくりを隠す」
「亭主は頭を隠す」
「笑えない」
「・・・・・」


本日の大金言。

際立った個性は他の長所を殺してしまう。だが、その個性が人を引き付ける。ラーメンの世界も同じだ。




                     太七11
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

最新記事
カテゴリ
彦作のつぶやき
最新コメント
月別アーカイブ
カレンダー
05 | 2017/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -
最新トラックバック
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR