浅草演芸ホールと浅草メンチ

 「浅草演芸ホールで待ち合わせしまひょ。三遊亭円丈も出てるし、お笑いはテレビなんかよりやっぱり寄席ですよ」
亀仙人の渋過ぎるひと声で、メディア界のシーラカンスとイリオモテヤマネコと始祖鳥、それに赤羽彦作村長が浅草に集合することになった。3日遅れのハロウィン仮装大会みたいなもの。
        浅草メンチ⑧ 
        朝から行列

集合時間は午前11時半。彦作組長はその前に、伝法院通りの「浅草メンチ」を賞味することにした。テレビなどで取り上げられ、行列のできる浅草の新名物として、一躍脚光を浴びていることが気になった。ホントにそんなにうまいのか? 時刻は午前10時半過ぎ。すでに14~5人ほどが幅1間ほどの小さな店に並んでいた。こんな時間からメディアの情報に動かされて(?)並ぶ老若男女。村長もその末尾に並んだのは言うまでもない。
        浅草メンチ② 
        あと一歩

浅草メンチは1個が180円。幻の豚「高座豚」と牛肉をブレンドして、それをラードで揚げているという。先日、お笑いタレントが「うわっ、うめ~! 肉汁があふれてる!」などと番組で叫んでいた。ホンマかいな。ハンバーガーのように専用の紙包みで食べないと、肉汁がしたたり落ちて大変なことになる。そんなことも言っていた。

店の奥が揚げ場になっていて、女性スタッフが3人で切り盛りしていた。
「熱いから気を付けてくださいね。肉汁が出ますからね」
村長は180円を支払ってから、浅草メンチを受け取った。大きさは女性のこぶし大ほどで、吉祥寺の「肉のサトウ」とそう変わらない。コロモはパン粉がどっさりと付いていて、ラードのいい匂いが発散していた。まずはひと口。思ったよりもサクサクしている。だが、熱い。肉汁がジュワリとあふれ出てきた。しっかりと味が付いていて、フツーのメンチよりも甘い。肉まんの具のような味わい。豚肉、牛肉、脂身のミンチとタマネギのバランスが確かに絶妙だった。
        浅草メンチ③ 
        ようやくゲット
        浅草メンチ⑤ 
        噂のメンチにメンチ

豚については高座豚とうたっているが、牛肉については詳しいことは不明。このあたりははっきり表記した方がいいと思うが、浅草という場所柄わざと謎にしているのか。B級の人気者であることに変わりはないが、口中から後味がなかなか消えない。かすかに化学調味料の匂いが残る。
        浅草メンチ⑥ 
        肉汁があふれそう

浅草演芸ホールの生の演目はダシが効いたいい味だった。古今亭菊丸の「時そば」、円丈の「強情灸」、歌武蔵の相撲ネタ、粋曲、マジックなどなど。ほとんどテレビではお目にかかれない芸人たちの寄席独特の味わい。浅草メンチをオーバーな表現で伝えるテレビ芸人との落差。テレビがすべてではない。これは案外重要なことだと思う。お笑いの世界もB級グルメの世界も通底している。

「やっぱり寄席に来ないとダメよ。村長もテレビに乗せられて、浅草メンチあたりで満足してちゃあいけませんよ」
寄席後に立ち寄った神谷バーで亀仙人がそうのたまった。やられた。シブくて楽しい時間が終わる。亀仙人は元テレビマンだった。


本日の大金言。

テレビやネットを見過ぎると、浅草はスカイツリーと浅草メンチしか目に入らなくなる。諸君、たまには寄席に行って、生の芸人を見る必要がある。
   




                      浅草メンチ⑦   
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プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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