人生いろいろ、水天宮の讃岐うどん

「 東京・水天宮の近くに旨いさぬきうどん屋があります。覗いてみたらいかがでしょう」
島倉千代子が亡くなったというニュースが流れた日、うどん通を自称する知人から、そんなメールが入った。彦作村長は「人生いろいろ」も好きだが、「からたち日記」も好きで、宮仕え時代にカラオケで何度か歌ったが、うまく歌うのが実に難しい曲で、あまりにウケないので、最後はヤケになって、「あさだちィ~、あさだちィ~、あさだちィのは~げ~」などとがなり立てて、失笑を買ったことを思い出した。一つの時代がまた一つ幕を引いた。残ったのはあの独特の、湧水のような歌声と愛らしい童女の面影。合掌。

          谷や① 
          いい店構え

「人生いろいろ」を口ずさみながら、半蔵門線に乗り、水天宮駅で下車。曇り空。新大橋通り沿いに、目指す「讃岐うどん 谷や」があった。白い壁のセンスのいい店構えで、オープンしてまだ3年というのに、白地の暖簾をくぐると、すでに老舗の雰囲気があった。L字型の白木のカウンターとテーブル席があり、すぐ右手が麺打ち場になっている。カウンターの前が厨房で、5人ほどのスタッフが担当分野ごとに無駄のない動きをしていた。

店主は本場・讃岐で修業したらしく、麵から出汁までこだわっていることが見て取れた。天ぷらも今や定番となった「はなまる」や「丸亀製麺」など讃岐うどんチェーンの作り置きスタイルではない。注文を受けてから揚げるというスタイル。その分値段も少々高め。

          谷や③ 
          メニューもいろいろ

彦作村長はテーブル席に座って、メニューの中から、「醤油うどん」(並500円)と天ぷらの単品で「半熟玉子天」(150円)と「ちくわ磯部揚げ」(150円)を頼んだ。

「醤油うどん」は特製醤油をかけるだけの最もシンプルなもの。冷と熱があり、熱を選んだ。打ち立てのうどんを茹でている姿と天ぷらを揚げている姿が見える。待ち時間はやや長めだが、それが逆に期待感となっている。讃岐うどんで待つという経験は初めてだった。

         谷や④ 
         来た来た~

大きな陶器のドンブリに湯切りしたばかりの熱々の讃岐うどんがどっしりと鎮座していた。薬味は讃岐細ネギとショウガ。特製の出汁醤油を垂らす。箸でかき混ぜると、何とも言えないいい匂いが立ち上ってきた。麺は毎朝、足で踏んで打つ「讃岐の正統派」で、コシと歯ごたえがチェーン店とは微妙に違う。強いコシの中にもっちり感が詰まっているという印象。香川産とオーストラリア産の小麦粉を独自にブレンドしているそう。特製出汁醤油はまろやかで、添加物を使っていない誠実さが伝わってくる。

         谷や⑤ 
         特製醤油をたら~り
         谷や⑥  
         いい匂いが立ちがってくる
         谷や⑨ 
         半熟玉子天でござる

「半熟玉子天」と「ちくわ磯部揚げ」はコロモがカラッと揚がっていて、素材もいいものを使っていることがわかる。「讃岐の塩」を付けて食べると、実に旨い。全体として、この店は少々の時間の余裕と本場の上等の味を東京で楽しみたい人にはおすすめ。B級の雑然が好きな人には敷居が高いかもしれない。ツマヨウジをくわえながら、村長は「腹八分の満足感」で外に出た。人生いろいろ、元首相もいろいろ、讃岐うどんもいろいろ・・・。


本日の大金言。

ファンにとって歌は歌手のものかもしれない。「人生いろいろ」の作曲は浜口庫之助、作詞は中山大三郎である。彼らが島倉千代子という時代の花を咲かせたことも同時に忘れてはいけないと思う。



                      谷や10 





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プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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