さぶ~懐手で老舗の「栗ぜんざい」

 めっきり寒くなってしまった。江戸表への所用のついでに、久しぶりに日本橋界隈をブラブラした。懐手気分で、彦作村長はよたよたと「榮太楼総本舗」へと向かった。創業が安政4年(1857年)という日本橋の中でも老舗中の老舗の和菓子屋である。ここのきんつばは少々高いが、村長の好みでもある。この中に喫茶室「雪月花」がある。今回はここで、温かい「栗ぜんざい」を所望しようと思ったからだ。

         榮太郎本舗 
         榮太楼総本舗
         榮太郎本舗② 
         場所柄安くはない

古い自社ビルに紺地の日除けのれんと自動ドア。この併存が156年の歴史というものだろう。創業当時の面影をもう少し出してほしいが。右側が喫茶室「雪月花」で、彦作村長はゆったりとしたテーブル席に腰を下ろした。メニューを一通り見てから、目的の「栗ぜんざい」(819円)を頼んだ。
「こしとつぶあん、どちらにいたしますか?」
とウエートレス。
「どっちが女性に人気?」
と村長。
「つぶあんのほうが少し多いです」
「じゃあ、つぶあん」
これでも会話の中にさり気なく市場調査を入れているつもり。

          榮太郎本舗③ 
          老舗の風格
          榮太郎本舗④ 
          お見事

10分ほどで、お盆に乗った黒塗りのお椀がやってきた。使い込んだ雰囲気が老舗を感じさせる。蓋を取ると、湯気とともに中から甘露煮の見事な大栗が3個現れた。鈍く光るつぶあんがどっしりと控えていて、その下に潜らせるような形で焼いた角餅が2枚。う~む。栗の色があまりに鮮やかで、それはお月様もようにも見え、視覚的には情感をくすぐるものがある。夜の江戸湾に浮かぶ三つの月。エータロー君、やるじゃないか。村長はえらそうにつぶやいた。
 
問題は味。まずつぶあん。ふっくらと柔らかく煮込まれていて、風味もまずまず。甘さをかなり抑えている。ここが好き嫌いの別れるところで、村長はもう少し甘い方が好み。餅はいい焼け具合で、やや固め。それがつぶあんのもっさり感といいハーモニーになっている。箸休めの柴漬けとほうじ茶も悪くない。栗はほっこり感がちょうどいい歯ごたえで、いい栗を使っていることがわかる。

          榮太郎本舗⑤ 
          大栗の主張
          榮太郎本舗⑥ 
          餅の加減
          榮太郎本舗⑦ 
          つぶあんの伝統

「この栗はどちらのもの? 丹波? それとも茨城かな?」
ウエートレスに尋ねてみたら、「少々お待ちください」と言って奥に消えた。5分ほどして、困惑した表情で戻ってきた。
「徳島の会社から仕入れているそうで、産地まではわからないそうです」
ひょっとして、クレーマーと間違えられたかもしれない。懐にぴゅーっと風が吹いた。グルメの道は険しい・・・。


本日の大金言。

メニュー偽装の問題は大問題だが、老舗が過剰に委縮する必要はないと思う。要はちゃんとやっているかどうか。このちゃんとが老舗の矜持(きょうじ)のはずである。




                       榮太郎本舗⑨ 




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プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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