「黒こってりラーメン」の混沌に挑む

 書店でたまたまラーメン雑誌を立ち読みしていて、「黒こってりラーメン」なるラーメンを出す店が大きく取り上げられていた。オープンして1年半ほどの新しい店だが、行列ができるほどの人気となっているという。うどんのような太い麺とギトギトと黒い脂が層になっていた。彦作村長は最近の「こってり系ラーメンが苦手である。健康にもよくない。だが、逃げるわけにはいかない。客が集まるということは、何か魔力があるのかもしれない。

ポンコツのティーダを飛ばして、埼玉の北部・鴻巣の郊外にあるその店「朝日屋」へと向かった。村民2号も渋々付いてきている。村長が半分決死の覚悟だということがわからないらしい。県道32号線沿いの、車かバスでないと来れないような場所に「朝日屋」があった。朝日のように明るい外観。平日の午後1時過ぎだというのに、寒い中を確かに4~5ほどが店の外に並んでいた。一人に聞いてみると「食べログ」を見て来たという。

          朝日屋 
          寒くても待つ

15分ほど待たされて、女性スタッフにようやく中に入れてもらうと、明るい木のテーブルが3つと3人ほど座れるカウンター席で、広くはないが狭くももない。天井扇も回っていた。奥が厨房になっていて、店主と男性スタッフが、最近のラーメン屋に多い黒いTシャツ姿で、忙しそうに麺づくりに励んでいた。

          朝日屋① 
          淡麗とこってり
カウンター席を指定されて、そこに腰を下ろしてからメニューを見る。つけ麺とラーメンが主で、村長は対決相手の「黒こってりラーメン」(750円)を頼んだ。村民2号はランチタイムのみの限定メニュー「淡麗中華そば」(600円)を注文した。

          朝日屋2 
          こちらは昼限定の淡麗中華そば

10分ほどで、まずは「淡麗中華そば」がいい匂いとともに登場。細麺で宗田カツオの出汁の効いたあっさり系の醤油ラーメン。脂はさほど浮いていない。「うまそう」と村民2号。安い上にうまかったら腹が立つ。うれしそうに食べ始めた村民2号を複雑な心境で眺めていると、「黒こってりラーメン」がドドドと登場した。予想していたことだが、実際に現物を見ると、驚かされる。

          朝日屋12 
          黒こってりラーメンである

茶色いこってりスープに、真っ黒いマー油(焦がしにんにく油)がタンカー事故後のように流れ込んでいた。ドンブリの縁には小さな泡まで吹いている。刻んだタマネギも浮いている。炙りチャーシュー、メンマ、ホウレン草、水菜、海苔、それに焦がしネギが流出物のように浮いていて地獄絵図のような世界を作っていた。だが、そこから複雑な何とも言えないいい匂いが立ち上っている。ある種の感動。いわゆる動物系と魚介系のWスープがベースで、そこにこれでもかと店独自のものを入れているようだ。その研究と努力を思うと村長は複雑な気分に陥った。ラーメンの世界がこんなんでいいのだろうか?

          朝日屋⑧ 
          ド迫力
          朝日屋⑦ 
          全粒粉入り極太麺
          朝日屋⑤ 
          黒い魔法のマー油

黒と茶のマンダラ状態のこってりスープは、確かに濃厚でうまい。だが、やはり油と脂が気になる。あぶら汗。麵はやや茶色ががっていて、かなりの太麺。国産の全粒粉を加えているそうで、もっちりとした歯ごたえが悪くない。丸富製麺の麺だそうで、村長がかつて何度か通った東京・深川の超人気店「こうかいぼう」もここの麺を使っている。

炙りチャーシュー、メンマなどはフツーのうまさ。何とか完食。だが、スープは残してしまった。特に若い客に人気なのは理解できたが、天国まで数マイルの人は近づいてはいけない世界だと思う。
「ふふふ、私の淡麗中華そばはうまかったわよ。村長の負けよ。また人間ドッグ行きね」
村民2号がうれしそうに笑った。


本日の大金言。

ラーメンの世界は恐るべき混沌へと突入しているのではないか。その先に何があるか。誰にもわからない。




                      朝日屋11 

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おいおい

タンカー事故とは・・・何という表現だ。驚き桃の木。埼玉にそんな店があったとは知らんかったぜ。
プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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