肉屋直営立ち飲み「驚異のメンチ」

 師走になると、東京・上野アメ横に行きたくなる。築地もいいが、アメ横の妖しい魅力も捨てがたい。買い物客の雑踏に揉まれながら、魚屋のオヤジのだみ声と客のやり取りを聞いているだけで、「あ、今年ももうすぐお終いだな」などと実感する。B級至上主義の彦作村長のよれよれの目に、「肉の大山」の看板と人だかりが見えた。知る人ぞ知る食肉卸し「肉の大山」直営の立ち食い・立ち飲みスポットである。村長の胸のピコピコが高鳴った。

          肉の大山①  
          B級の穴場

店先でメンチやコロッケなどを揚げていて、その右手が立ち食いコーナー。その安さと種類の豊富さに驚く。「やみつきコロッケ」(1ケ50円)、「やみつきメンチ」(100円)、「カレーコロッケ」(100円)、「ハムカツ」(70円)、「エビフライ」(1本120円)、「から揚げ」(3ケ120円)などなど。その揚げ立てのいい匂いがあたり一帯を支配していた。

          肉の大山④ 
          これで軽く一杯
          肉の大山⑧ 
          ドリンク類もこの値段

村長はここの目玉「やみつきメンチ」と「やみつきコロッケ」、それに売り切れ御免のレアもの「匠の和牛メンチ」(1ケ400円)を奮発してゲットした。「匠の和牛メンチ」は安くはないが、黒毛和牛の最高クラスを使っているそう。これを賞味せずして、宇宙には帰れない。まだ日は高かったが、飲み物は「ジョッキ赤ワイン」(300円)を頼んだ。舞台は整った。

まずは「やみつきメンチ」(100円)。楕円形のグラマラスなボディ。専用の紙の包みに入れてガブッと行く。味がほとんど薄い塩味のみで、肉の旨みがそのままストレートに伝わってきた。予想していたよりも美味だった。肉の存在感。それとタマネギの甘み。肉は牛と豚のミンチだそう。表面のこんがり具合といい、その見事にぎっしり詰まった具といい、「肉屋だからこの値段でできるんですよ」と店のスタッフが言うのもうなずける。素晴らしきコスパ。

          コロッケ① 
          やみつきメンチ100円ナリ
          肉の大山⑦ 
          ギッシリ感、どないでっか?

次にメーンの「匠の和牛メンチ」(400円)に挑んだ。このネーミングはいただけない。村長はズバリ「頂点大メンチさま」と命名したくなった。その実物は衝撃的。円形で直径11センチ、厚さ3センチはあろうかというデカさ。只者ではないぞ光線が放射している。だが、見かけ倒しかもしれない。
 ガブリと行くと、まず肉の柔らかさにウムと唸る。次に肉汁がじゅわりとくる。ラードとサラダ油の香ばしい匂いがフェードアウトしていく。口内に確かに圧倒的な肉の良さが残る。具は他にタマネギのみ。生姜も入っていない。こちらも味付けはほとんど薄い塩味のみ。ソースを付けて食べると、肉の旨味がさらに引き立った。だが、コスパが問題。できれば300円くらいにしてほしい。

         肉の大山⑨ 
         レアな「匠の和牛メンチ」
         400円メンチ③    
         黒毛和牛の圧倒
         コロッケ② 
         こちらはやみつきコロッケ、50円ナリ

「やみつきコロッケ」(50円)には特に感心した。ご近所の主婦がわざわざ買いに来るほどで、ギッシリ感はないが、きれいな男爵イモと点々と入った挽き肉がいい具合にミックスしている。こちらも素材勝負の薄い味付け。この肉屋直営のB級の心意気に村長は脱帽した。ジョッキ赤ワインをきれいに飲み干してから、再びアメ横の師走の雑踏に入ると、ほろ酔いの村長をある種の感動が包み込んでいくのだった。天国まで8マイル。


本日の大金言。

アメ横の立ち飲みメンチの至福。ここから永田町の迷走を見るのも悪くない。あきらめてはいけない、そう肝に銘ずる。




                     アメ横① 

 
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通の楽しみ方

こんなすごい店が上野にあるとは知りませんでした。村長のフットワーク、大したものです。50円のコロッケと400円のメンチを立ち飲みしながら食べるなんて、通ならではの楽しみ方だと思います。
こういう楽しみ方もあるんですね。高いレストランばかりではないこと、教えられた気がいたします。さらなるご活躍、神奈川よりお祈りいたします。
プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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