みはし本店の「あわぜんざい」

 東京の粟(あわ)ぜんざいといえば、浅草「梅園」や神田「竹むら」という名前がすぐ浮かぶが、上野「みはし」も季節限定ながら、あんこファンの評価が高いことで知られている。彦作村長は、土曜日の午後に二度ほどここに入ろうとしたが、あまりに待ち客が多くて、断念している。上野界隈を散策中に、あんこネットワークの知人の「寒くなると、みはしのあわぜんざいを食べたくなる。絶品だよ」という言葉を思い出した。頭の中はすでにあんこ色。

          みはし① 
          「あんみつ みはし」上野本店

時計を見ると、平日の午後3時半。チャンスかもしれない。師走で賑わう上野中央通り「ABAB」の並びにある「みはし本店」に到着。それでも3~4人ほどが中の椅子で順番待ちをしていた。5分ほどで1階のテーブル席に案内された。説明するまでもないが、ここはあんみつが有名で、老舗の佇まいながら、創業は昭和23年(1948年)とそう古くはない。

          みはし1 
          素晴らしき世界

お盆と緑茶が先に出された。メニューには「あんみつ 450円」「田舎しるこ 550円」「いそべ巻 450円」など梅園や竹むらに比べると比較的庶民的で好感。村長はむろん「あわぜんざい」(550円)を注文する。周りを見渡すと、客はほとんどが「昔美人」で、若いカップルも混じっている。

見ていると、「あんみつ」はすぐに運ばれてくるのだが、「あわぜんざい」は作るのに手間がかかるのだろう、なかなか来ない。その分期待することにしよう。待ち時間12~13分ほどで、小ぶりのお椀が箸休めの塩昆布とともにやってきた。ふたをそっと開ける。この瞬間がたまらない。湯気とともに黄金色のあわ餅と、それに寄り添うように見事なこしあんが現れた。半々の割合。今年8月に食べた梅園のものに比べると、全体の量は少ない。だが、こちらの方があわ餅の黄金色とこしあんの小豆色が艶やかで濃い。スススと帯を解き始める妄想。どうぞ食べておくんなんし。小柄の美女の深情け・・・なんてね。

         みはし④ 
         来たァ~
         みはし⑤ 
         時間よ、止まれ

何はともあれ、まずひと口。あわ餅は搗(つ)き立てのように伸びがよく、甘めのこしあんの風味とのバランスがとてもいい。ピュアでなめらかなこしあん。北海道十勝産小豆を厳選しているそうで、原料自体は梅園とそう変わらない。だが、梅園の野暮ったさを前面に押し出したあわざんざいと比べると、こちらの方が村長の好みに近い。味わいにピュアな深みを感じる。

         みはし⑥ 
         あわ餅の伸び
         みはし⑨ 
         こしあんの絶妙

量が少なめということもあるかもしれない。ほどよい腹加減。小粋でけな気なあわぜんざい、そんな言葉が出てきた。それはむろん、好みの問題とも言えるが、価格設定も含めた敷居の低さも村長にとっては好ましい。ただひと言言えば、箸休めは塩昆布ではなく、シソの実の塩漬けの方が風情があると思う。待ち時間はどうにもならない。アワてて食べるとろくなことがないよ、ということなのか。


本日の大金言。

師走のぴゅうっとした寒風も、どうってことない。フトコロの寂しさもどうにかなる。あわぜんざいはそんな気にさせるから不思議である。



                      みはし10 

 
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プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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