「あんこ入りコーヒー」秘密の味
このところ、見世蔵の街・茨城県結城市にはまっている。首都圏からも近いし、何より、同じ蔵の街でも人気の埼玉・川越ほどの大混雑がない。村長のモットー「人の行く裏に道あり花の山」を地で行く。首都圏エリアの隠れた蔵の街として、観光界のきゃりーぱみゅぱみゅみたいな存在になるかもしれない。美味いものも意外に多い。
明治36年の蔵カフェ
村民2号とその結城の街を散策中に、実に奇妙なスイーツに出会った。あんこマニアとしては避けて通れない。明治時代の蔵を改装した「甘味茶蔵」という看板。和菓子の老舗「真盛堂」のカフェだった。1階がアンティークなテーブル席になっていて、2階が板張りの部屋と畳張りの部屋になっていた。古いものを上手い具合に利用している。
魅力的なメニュー
最近この手の店が増えたとはいえ、斬新なメニューの数々に彦作村長の好奇心がむくむくと動き始めた。2階の畳張りの部屋に陣取ると、その中から、「あんかふぇ(ホット)」(500円)を頼んだ。作務衣姿の若い女性スタッフが、「つぶあんとこしあん、どちらに致しますか?」と聞いてきた。村長はつぶあん、村民2号は気乗りしない表情でこしあんを選んだ。
「コーヒーにあんこなんて、いくらなんでも邪道すぎるわ」
1日にコーヒーを3杯は飲まないと、機嫌が悪くなるほどコーヒー好きの村民2号が、村長の顔をあきれ返りながら見る。
「あんかふぇ、なんてネーミングもいいじゃないか。若い人のアイデアだと思うけど、スイーツの世界も何でもありになって、面白いと思うよ。見る前に飛べ、論ずる前に食べよ、だっぺ」
あれまあ~
10分ほどで、「あんかふぇ」がお盆に乗ってやってきた。陶器のシンプルなコーヒーカップの脇につぶあんとこしあんが置いてあった。想像の範囲内。コーヒーはドリップ式の深煎りで、村民2号が「コーヒーは美味いわ」とあんこを入れずに味わった。彦作村長は内心シメシメで、まずはつぶあんを賞味することにした。つぶあんは北海道十勝産のいい小豆を使っていて、むしろゆで小豆風にとろっとしていた。いい風味。さすがに和菓子屋のあん。コーヒーに入れて、木のスプーンでかき混ぜてから、グビビとひと口。ン?なんだこれは? つぶあんがコーヒーのパワーに押されて、その存在感がまるでない。
つぶあんか?
こしあんか?
コーヒーとの恋愛の行方
これはミスマッチでは、という失望のまま、次に村民2号が手を付けようとしないこしあんへ。こしあんは塩が効いていて、その分甘みもいい具合に広がってくる。こちらはつぶあんよりもコーヒーにマッチしていた。こしあんの風味がコーヒーのパワーにささやかな抵抗を試みている。悪代官に手籠めにされそうな町の小娘が精一杯抗っているよう。おとなしうせい、わしの言うことを聞け、むふふふ。あれーっ、お代官様、堪忍してください・・・。畳の座敷のせいか、そんな妄想が湧いてくる。
トマト大福(180円)
「普通の白玉しるこにすればよかったんじゃない?」
「新しいものにチャレンジすることに意味があるんだよ」
「トマト大福も食べたでしょ。そっちはどう?」
「イチゴ大福よりトマト大福の方が意外性がある。結城のフルーツトマトとの相性はそれなりにあるよ」
「苦しそう。あんかふぇを飲んでいるときの村長の顔は悪代官そのものだったわよ。無理しなくていいの」
「無礼者め。おまえにはあんこ道の厳しさがわからぬのか。そこに直れ」
「あれ~、っていうかと思ったでしょ? バーカ」
「・・・・・・」
本日の大金言。
あんこをレディ・ガガにすることに意味はあるのか? あんこはあんこ、が原点。その素材の素晴らしさをどうやって生かすか、そこにこそアイデアが生きると思う。
明治36年の蔵カフェ
村民2号とその結城の街を散策中に、実に奇妙なスイーツに出会った。あんこマニアとしては避けて通れない。明治時代の蔵を改装した「甘味茶蔵」という看板。和菓子の老舗「真盛堂」のカフェだった。1階がアンティークなテーブル席になっていて、2階が板張りの部屋と畳張りの部屋になっていた。古いものを上手い具合に利用している。
魅力的なメニュー
最近この手の店が増えたとはいえ、斬新なメニューの数々に彦作村長の好奇心がむくむくと動き始めた。2階の畳張りの部屋に陣取ると、その中から、「あんかふぇ(ホット)」(500円)を頼んだ。作務衣姿の若い女性スタッフが、「つぶあんとこしあん、どちらに致しますか?」と聞いてきた。村長はつぶあん、村民2号は気乗りしない表情でこしあんを選んだ。
「コーヒーにあんこなんて、いくらなんでも邪道すぎるわ」
1日にコーヒーを3杯は飲まないと、機嫌が悪くなるほどコーヒー好きの村民2号が、村長の顔をあきれ返りながら見る。
「あんかふぇ、なんてネーミングもいいじゃないか。若い人のアイデアだと思うけど、スイーツの世界も何でもありになって、面白いと思うよ。見る前に飛べ、論ずる前に食べよ、だっぺ」
あれまあ~
10分ほどで、「あんかふぇ」がお盆に乗ってやってきた。陶器のシンプルなコーヒーカップの脇につぶあんとこしあんが置いてあった。想像の範囲内。コーヒーはドリップ式の深煎りで、村民2号が「コーヒーは美味いわ」とあんこを入れずに味わった。彦作村長は内心シメシメで、まずはつぶあんを賞味することにした。つぶあんは北海道十勝産のいい小豆を使っていて、むしろゆで小豆風にとろっとしていた。いい風味。さすがに和菓子屋のあん。コーヒーに入れて、木のスプーンでかき混ぜてから、グビビとひと口。ン?なんだこれは? つぶあんがコーヒーのパワーに押されて、その存在感がまるでない。
つぶあんか?
こしあんか?
コーヒーとの恋愛の行方
これはミスマッチでは、という失望のまま、次に村民2号が手を付けようとしないこしあんへ。こしあんは塩が効いていて、その分甘みもいい具合に広がってくる。こちらはつぶあんよりもコーヒーにマッチしていた。こしあんの風味がコーヒーのパワーにささやかな抵抗を試みている。悪代官に手籠めにされそうな町の小娘が精一杯抗っているよう。おとなしうせい、わしの言うことを聞け、むふふふ。あれーっ、お代官様、堪忍してください・・・。畳の座敷のせいか、そんな妄想が湧いてくる。
トマト大福(180円)
「普通の白玉しるこにすればよかったんじゃない?」
「新しいものにチャレンジすることに意味があるんだよ」
「トマト大福も食べたでしょ。そっちはどう?」
「イチゴ大福よりトマト大福の方が意外性がある。結城のフルーツトマトとの相性はそれなりにあるよ」
「苦しそう。あんかふぇを飲んでいるときの村長の顔は悪代官そのものだったわよ。無理しなくていいの」
「無礼者め。おまえにはあんこ道の厳しさがわからぬのか。そこに直れ」
「あれ~、っていうかと思ったでしょ? バーカ」
「・・・・・・」
本日の大金言。
あんこをレディ・ガガにすることに意味はあるのか? あんこはあんこ、が原点。その素材の素晴らしさをどうやって生かすか、そこにこそアイデアが生きると思う。
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