アキバの原点、大衆食堂のかつ丼

 秋葉原は電気街、オタクの街、メイドカフェの街、近未来都市とここ20年ほどで大きく変貌しているが、江戸時代から昭和にかけて、ここに巨大な青果市場があったことを知る人は少なくなってきた。平成元年(1989年)に青果市場が大田区へ移転してからは、高層ビルやマンションに姿を変え、かつての面影はなくなってしまった。だが、その青果市場時代の痕跡を残す大衆食堂がある。「アキバの老舗 かんだ食堂」である。

         かんだ食堂① 
         アキバの原点?

昭和34年創業。やっちゃ場の労働者が愛した大衆食堂は、そのまま平成25年12月現在もいまだ健在である。中央通りを御徒町方面へ歩いていくと、右手の脇道に、そこだけ昭和の原色の世界がポツネンと見えてくる。おお、ここだここだ。その不敵な店構えに彦作村長は脱帽したくなる。わしらを忘れてもらっちゃあ困るぜ。素通りするわけにはいかない。村長は夜のヘビーな忘年会の前に、ここで腹ごしらえをすることにした。

         かんだ食堂10 
         昭和がそのまま

カレーライス520円、さば焼き定食630円、コロッケ定食630円・・・メニューはほとんど昔のまま。カウンターとテーブル席。白衣の料理人も働いている女性も昭和のまま。だが、客は若いカップルやオタクもいる。彦作村長は迷った末に「かつ丼」(680円)を頼んだ。みそ汁が別売り(50円)というのが悲しい。お茶で我慢。待ち時間10分ほどで、やっちゃ場のかつ丼がやってきた。溶き卵にしっかりと火が通っている。ふわとろなんて軟弱すぎる。刻み海苔のパラパラ。見るからに昭和のB級のかつ丼!

          かんだ食堂③ 
          お呼びでない?
          かんだ食堂⑤ 
          元気にやってるかい?

トンカツは揚げ立てではなく、多分揚げ置きだろう。だが、肉の厚さは1センチはあろうかというスグレモノ。デカい。肉は柔らかいロース肉で、コロモもしっかりと付いている。何より感動的なのは、トンカツの下に敷かれたタマネギの圧倒的な量。やっちゃ場の生き残り。出汁と醤油と砂糖のバランスがいい。見た目よりも薄味で、熱々のご飯とともにかっ込むと、じんわりと昭和のよき大衆食堂の味が、口中から胃袋へと滲みこんでいく。寒風にさらされた五臓六腑が生き返る。B級どんぶりキングのパワー。

          かんだ食堂⑦ 
          ロース肉、厚さ1センチ
          かんだ食堂⑧ 
          タマネギの底力
          かんだ食堂⑨ 
          B級のプライド

ご飯もA級ではなく、B級のうまさ。汁がほどよく滲んだボリュームのあるドンブリメシをあっという間に平らげると、村長の疲れた身体を大いなる満足感が包んだ。これで、メディア関係のヘビーな忘年会も乗り切れる。場外戦にも耐えられる。師走はアキバのかつ丼に限る。


本日の大金言。

12月は何かと飲む機会が多くなる。胸突き八丁を乗り切ることができるか。縁起も含めて、師走のかつ丼は貴重である。




                     かんだ食堂13 
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プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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