「ダロワイヨのオペラ」を食べに行く

 チョコレート好きの村民2号が珍しく憂うつな顔をしている。この季節になると、かつてたまに行った銀座のカフェを思い出すらしい。ウマズイめんくい村にクリスマスは来ない。チョコレートも来ない。仕方がない。彦作村長は残り少ない財布の中身を確かめてから、猫のようにぎっくり腰を伸ばして立ち上がると、「今年の締めに銀座のカフェに繰り出そう!」と宣言した。

          銀座ダロワイヨ 
          ダロワイヨ銀座本店

一年に一度の清水の舞台。目指すは「ダロワイヨ銀座本店」。1階はパンとケーキ売場、2階はカフェレストラン。ここの2階で、あのチョコ菓子「オペラ」を食べてしまおうと算段した。一人暮らししている娘のキオも呼ぶことにした。ここは人気店で、4~5組ほど待っていた。キオが珍しく着飾って合流。村長はよれよれの綿スーツ姿。

          ドロワイヨ② 
          お好きなものを・・・

こげ茶を基調にしたシックな店内にOLやおばさんのグループが師走の午後のひと時を楽しんでいる。メニューの中から、「おすすめケーキセット」(1470円)を頼むことにした。好きなケーキ一品とドリンク(コーヒー、紅茶、ワインの中から一品)の組み合わせ。全員、声をそろえて「オペラ」。飲み物はキオと村長は紅茶、村民2号はコーヒーを選んだ。銀のスプーン、ナイフ、フォークがセットされる。

          ドロワイヨ④ 
          オペラとカシスシャーベット

12~3分ほどで、白と金の模様入りの磁器皿にオペラとカシスのシャーベットがきれいに盛りつけられてやってきた。カシスのシャーベットは甘いソースがかかっていて、フランス人の好むえぐい果実味がジュワリと口中に広がる。悪くない。
「これ溶けてくると、ソースみたい。この濃厚な甘酸っぱさが大人の味ね」
キオと村民2号が声をそろえる。しばし沈黙の時間。

          ドロワイヨ⑤ 
          濃厚な時間

本命のオペラは、なるほどという味わいだった。表面のグラサージュ(ビターチョコレート)、アーモンド風味の生地、コーヒー風味のクリーム、ガナッシュ(チョコレートと生クリーム、洋酒)などが数えてみたら何と七層になっていた。コーティングされたチョコの上には小さな四角い金箔が乗っている。これは、信長の幻の安土城ではないか? 信長はどこにいる? 七層と金箔がそんな連想へとつながってしまった。

         ドロワイヨ⑥ 
         オペラ!
         ドロワイヨ⑧ 
         七層でござる

「美味いとしか言いようがないわ。濃厚なチョコレートと複雑な味が入り混じっていて、緻密な甘さの中に気品がある。アーモンドの風味がふわりとくる。説明するのが難しいわねえ」
「ナイフで切るのに苦労するわ。説明するより食べるが先」
「他の店と比較しても1470円という値段は総合して考えると、メチャ高くはないかもな。伝統を感じる。今年の締めのぜい沢と考えれば、ま、大出血も善しとしよう」
「こんなぜい沢は体に毒よ」
「ウマズイめんくい村のラストクリスマスってことで」
「村長、ごちそうさま~」
「・・・・・・」


本日の大金言。

ダロワイヨのパリ本店で「オペラ」が誕生したのは1955年(昭和30年)。トヨタが初めてクラウンを発売し、ソニー(東京通信工業)がトランジスタラジオを発売した年でもある。日本はどこへ行くのか?




                       ドロワイヨ10 

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プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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