利休の後の「すき家のカレー」

市川海老蔵主演「利休にたずねよ」(田中光敏監督)を観た後、久しぶりにフードコートの「すき家」で遅いランチ。エンタテインメント新聞社時代には「すき家」と「まつ屋」の牛丼はよく食べた。特にフトコロがぴゅうぴゅう寒いときなどはありがたかった。安くてそれなりに旨い。今回は、この秋デビューした「旨ポークカレー」(並450円)に目が行った。ポークとジャガイモなど野菜が「ごろごろ」という言葉で強調されていた。吉野家の「こく旨カレー」が330円(並)ということを考えると、450円はかなり強気の設定である。ちなみに松屋は「オリジナルカレーがみそ汁付きで350円(並)。

            すき家 
            すき家だい好き
            すき家② 
            旨ってホント?

自販機で「旨ポークカレー」を押して、待ち時間は5分ほど。雑踏の中の孤独も悪くない。可愛らしいバイトの女の子からお盆に乗ったカレーを受け取る。楽しいのう。大きくて黒いどんぶりの中の旨ポークカレーは、確かにジャガイモと人参がほどよい大きさでゴロゴロ。ポークは5個ほどゴロゴロとはいかず、コロコロ。カレーは脂がほどよく浮いていて、高めの価格設定をするだけのことはある見晴らしだった。村長の頭の中には、映画の中で使われた楽家初代長次郎の黒楽茶碗の残像がまだ残っている。目の前にはすき家のカレーの黒いどんぶり。

            すき家③ 
            この見事なお姿
            すき家④ 
            ごろごろごろ

カレーは中辛で、コクもある。甘みもある。どこかその甘みにタマネギだけでなく、チョコレートのようなかすかな香りを感じる。まさかチョコも入れている? スパイシーさもほどよくある。フツーに旨い。ジャガイモと人参とポークはたぶん注文を受けてからバイトの子がルーと合わせているのだろう、形が崩れていない。その分、味がしみ込んでいない。きれいな、マニュアルのカレー。それも悪くない。多分、男女、世代を問わず、最大多数が80%満足する味わいを追求するとこうなるのだろう。ライスも以前すき家で食べたものより一ランク旨くなっている。福神漬けも真っ赤ではなく、自然な茶色。すべてがよくできたカレー。

            すき家⑦ 
            ポークとジャガイモと人参
            すき家⑧ 
            ライスも意外

村長はファストフードのライトな満足感に浸った。頭の中には「利休にたずねよ」の余韻がまだ残っている。本物志向の強い、よくできた映画で、映像の美しさや、北政所や側室が片膝を立てて座っているところなど時代考証にも相当な力を入れていることがわかった。ただ一点、秀吉の描き方に不満が残った。凄味のリアリティがない。80%の人の秀吉像をそのまま演じているような、類型的な秀吉。惜しいなあ。ふと、きれいに平らげた黒いどんぶりを見る。ありゃりゃ、その中に映画の余韻もすっぽり入っていた。何でこうなるの?


本日の大金言。

大衆消費社会の進化と職人。相容れないこの二つを結びつけることは不可能なのか?




                      すき家10 
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赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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