老舗の「牛ホルモン汁つけうどん」

 これも武蔵野うどんなのか? うどん通の知人の情報で、埼玉・鴻巣市の「手打ちうどん いしづか」にポンコツ車をぷかぷか走らせた。JR鴻巣駅にも近い旧中山道沿いに、山吹色の暖簾を下げたいかにも老舗の佇まいの店が見えた。駐車場を探して、車を止め、暖簾をくぐる。創業百年という文字が見える。うどん屋というより料理屋という雰囲気は悪くない。照明の暗さとモダンな和の灯り。ウマズイめんくい村の怪しい一行は、入り口近くのこげ茶のテーブル席に陣取った。

            いしづか① 
            いい佇まい
            いしづか②
             どれにしようかな

ここのつけ汁が美味いという情報だったので、村長はメニューに目を通した。「牛肉汁うどん」(730円)にするか「牛ホルモン汁うどん」(730円)にするか迷った。いずれにせよ、牛肉というのは珍しい。しかも国産牛を使用しているという。珍しさの度合いで、村長は「牛ホルモン汁うどん」を選んだ。ナス好きの村民2号は「揚げ出しナス汁うどん」(750円)。「当店は注文を受けてから茹でるため10~15分ほどお時間をいただきます」という張り紙。これは期待できそう。

            いしづか④ 
            牛ホルモン汁うどん

5分ほどで「ひじきの小鉢」が登場。15分ほどで、お盆に乗った「牛ホルモン汁うどん」がやってきた。うどんは「熱もりもできます」ということで、熱もりにしてもらった。長野産の地粉をつかっているそうで、太めのうどんはやや黄色みがかった小麦色で、熱々の湯気を放っていた。軽く驚いたのは、牛ホルモンのつけ汁。牛もつがごろごろ浮いており、長ネギ、ニラもどっかりと入浴していた。白ゴマもぷかぷか。小皿には白菜の漬物が山盛り。薬味には生姜と刻みネギ、それにコチジャンのような辛味噌。さらに、ラー油まで用意されていた。よーく考えると、かなり異色のラインナップである。これが武州流のお・も・て・な・しなのだろうか?

            いしづか14 
            湯気が立つ熱もり
            いしづか⑦ 
            牛ホルモンつけ汁

熱もりのうどんは、モチモチ感といいい強めのコシといい申し分なかった。いい小麦の香りが鼻腔へと抜けて行く。問題はつけ汁。出汁に国産の牛ホルモンも入っていて、かなりのレベルであることはすぐにわかった。だが、かえしの醤油と塩が効きすぎていて、かなり濃い味付け。ここは好みの別れるところだろう。洗練と無骨が入り混じったような、不思議な世界。薬味を入れて、さらに辛味噌とラー油を加えてみた。関西の味付けとは対極の濃い曼荼羅(まんだら)の世界が、ぐわんと口中に広がった。悪くはないが、これだけのこだわりの世界を持っているのに、も・っ・た・い・な・い。正直そう思った。もう少し塩を抑えた方が、村長の好みなのに。

            いしづか12 
            ズルッととやっておくんなさい

「揚げ出しナス汁はとても美味いわ。値段もリーズナブルで好感をもったわ。うどんがいい。さぬきより好きかも。村長の舌がおかしいんじゃないの?」
「牛ホルモンの脂がキラキラ浮いていて、それをつけ汁にしていることはいいアイデアだと思うけど、漬け物にしても薬味にしてもちょっと過剰だと思う。いい店だけに惜しい。何も足さず、何も引かず。村長の今年のモットーは足るを知る、だからなあ」
「この武蔵野の国のおもてなしがわからないとはね」
「善意の武蔵野うどんということかな。善意は難しい」
「何わけのわからないことを言ってるのよ。この店の百年の歴史がすべてよ。今度は牛肉汁うどんを食べてみたいわ
目の前のラー油が、きれいにうどんを平らげていた。何だい、この結末は?


本日の大金言。

昨年、おもてなしが流行語大賞になったが、おもての裏には、無関心も潜んでいる。おもてなしの国の垂れ流し。




                       いしづか13 

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武蔵野うどん

村民2号さんが言うように、この店は「牛肉つけ汁うどん」の方がうまいですよ。味が濃いのは埼玉なので仕方がないでしょう。「いしづか」は洗練されているほうで、同じ桶川にある「松屋」などは、麺の太さといい硬さといい、驚きますよ。ぜひ今度、行ってみて下さい。好みなので、うまいかどうかはわかりませんが、本物の武蔵野うどんが味わえますよ。
プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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