玉子焼き屋のコロンブスの卵

 東京・築地の場外市場は、この十年ほどで随分と変わってしまった。海鮮どんぶり屋が急増し、観光客もさらに押し寄せ、最近ではこれまで使っていなかった古い建物の上層階を使って、しゃれたバーやカフェなどもオープン。「新たな夜のグルメスポット」としても脚光を浴び始めている。築地には夜もあるでよ、というわけだ。

だが、築地の場外市場はやはり朝がいい。彦作村長は、宮仕え時代に、築地の玉子焼き屋で、よく玉子焼きを買った。贔屓(ひいき)の店は「松露(しょうろ)」で、ここの「親子焼き」や「山菜焼き」「う焼き」は特に好みだった。「松露」の他に「大定(だいさだ)」「山長」、それにテリー伊藤さんの実家「丸武」など玉子焼き屋がしのぎを削っている。

                  築地・大定① 
            築地・大定の新しい冒険?

久しぶりに場外市場を散策していると、おばさん(観光客?)や若い女性の行列ができていた。「大定(だいさだ)」の前。焼き立ての玉子焼きを「ほか玉」(1個100円)というネーミングで切り売りしていた。これを椅子に座って食べたり、歩きながら食べたり。昔はなかった光景。観光地でよく見られる光景。そのすぐ隣で「玉子たっぷりプリン」(150グラム250円)が売られていた。こちらにも長い行列。パステルの「なめらかプリン」好きの村長は、珍しい「玉子焼き屋のプリン」の方に、ぐらりと体重が移動した。ミーハーの面目躍如。

           大定③  
           コロンブスのプリン?

それをウマズイめんくい村まで持ち帰って、賞味することに。地鶏卵を使ったプリンで、まず色が黄色とオレンジの中間のような色で、見るからに濃厚さが伝わってくる。村長の好きなカラメルシロップは少ない。大きい器のふたを開けると、ミルクと卵の香り、それにバニラの香り。卵の黄身の香りがやや強めで、それがこのプリンの出生を証明している。

            玉子たっぷりプリン① 
            大きいカップ 
            玉子たっぷりプリン④ 
            玉子たっぷり感

スプーンですくってひと口。今流行のなめらかでもなく、とろり感もない。だが、それが悪くない。素朴な玉子豆腐のような食感。甘さも控えめ。極上というよりも、極下の美味さ。B級の美味。よく考えてみると、牛乳メーカーがプリンを出し、ケーキ屋もプリンを出す。スーパーにはプリンが溢れている。玉子焼き屋がプリンを出したっておかしくはない。これまで出さなかった方がむしろおかしいくらいだ。玉子焼き屋のプリン。ひょっとして、これはコロンブスの卵かもしれない。



本日の大金言。

築地場外の夜の再利用といい、玉子焼き屋のプリンといい、これまでにない柔軟な発想の小さなベンチャーが起き始めている。小さなコロンブスの未来が気になる。


                      玉子たっぷりプリン② 

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プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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