浅草で老舗の「天然たい焼き」と遭遇

 よく考えてみたら、この冬はたい焼きを食べていなかったことに気づいた。夕暮れ時。浅草・国際通りをブラ歩き中に、ホテル京阪浅草のあたりで、寒風に乗って、たい焼きのいい匂いとともに、ぼおーっと灯りが見えた。海老茶の暖簾と「浅草浪花家」の看板。浅草浪花家だとお? 近寄ってみると、黒ずくめの若い男が、一丁焼きでたい焼きを焼いていた。ほとんどのたい焼きは一度に大量に焼く「養殖もの」だが、一丁焼きは焼きゴテで一匹ずつ。別名、「天然もの」とも言われる。

            浅草浪花家  
            あの老舗の天然もの?

聞いてみると、あの明治43年創業の麻布十番「浪花家総本店」で修業して、「暖簾分けした店です」とか。奥が簡素なカフェになっていて、そこで焼き立てを賞味できるという。一生懸命に作っている感じが気に入った。これは入るっきゃない。この冬初めてのたい焼きが浪花家とは、ツイてる。メニューを見ると、フツーの甘味屋のようで、あんみつや焼きそば、カレーうどんまである。たい焼き一匹(150円)でもオーケーだが、彦作村長は、少々見栄を張って、「たいやきと飲み物セット」(500円)を頼むことにした。飲み物は煎茶、ほうじ茶、コーヒー、抹茶の中から「煎茶(長崎県産)」を選んだ。

            浅草浪花家② 
            たい焼きセット
            浅草浪花家③ 
            凝った構成

7~8分ほどで、白い磁器の急須に入った煎茶とともに、たい焼きクンが登場した。よく見ると、皿はたい焼きの形の大きな竹細工だった。悪くはないが、もっとシンプルに木か陶器の皿の方がたい焼きが引き立つのではないだろうか。たい焼きは天然もの特有のいい焼き色で、外側がパリッとしていて、真ん中で割ると、中から見事な粒あんが湯気とともに現れた。粒あんは北海道十勝産を8時間かけてじっくり炊いたもの。砂糖は上白糖を使用。「たい焼きには上白糖が一番合うと思います」ときっぱり。これを毎日作っているという。焼き立てなので、溶岩のようにどろりとしていた。

           浅草浪花家④ 
           100年前と同じ?
           浅草浪花家⑤ 
           たまらん!
           浅草浪花家⑥ 
           見事な粒あんと皮

皮の薄さがひと目でわかる。まずはひと口。外の皮はパリッとしていて、薄いのに内側がもっちりしていた。ひょっとして、山芋か何かを加えているのかもしれない。粒あんはちょうどいい甘さで、ほのかに塩が効いている。口に入れた瞬間、小豆のいい風味がさっと広がるのがわかった。尻尾までしっかり入っている。麻布の総本店とほとんど同じだが彦作村長には粒あんの量が気持ち少なめな気がした。というよりも、総本店より焼き方もきれいで、洗練されていると言った方がいいかもしれない。ここは好みの問題。

煎茶はまろやかで、この大寒の中、浅草でまさか浪花家と出会えるとは思っていなかった分、村長の心までほっこり。入り口には女子高生や若い女性がたい焼きの焼き上がるのを待っていた。春は遠いようで近い。


本日の大金言。

スカイツリーの下の一丁焼きのたい焼き。浅草にも新しい波が押し寄せている。



                       浅草浪花家⑨
 
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プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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