新橋・小川軒のノア・ショコラ

 小川軒のレイズン・ウィッチの長年のファンである彦作村長にとって、たまに行く東京・新橋の「巴里 小川軒」は特別な場所でもある。エンターテインメント新聞社時代から、「相手に喜ばれて、格調があって、何より比較的安い」の三条件を満たすのが、このレイズン・ウィッチだった。5個入りで600円。相手によっては門前仲町・梅花亭のきんつばにする。どちらも千円以内でほとんどの相手が喜んでくれる手土産だった。

           小川軒② 
           東京・新橋「巴里 小川軒」

ペンギン村の編集会議の帰り、村長は久しぶりに夕暮れの「巴里 小川軒」を覗いてみた。すぐ向こうにあの電通ビルがそびえ立っていた。何故かちょっと感傷的な気分になってしまったが、店に入った瞬間、村長の胸が高鳴った。相変わらず女性客が多い。定番のレイズン・ウィッチ(5個入り)を一つと、村長の目をくぎ付けにした「ノア・ショコラ」(5個入り1680円)を買い求めた。少々高い買い物だったが、このノア・ショコラが絶品だった。
 
           小川軒④ 
           隠れた逸品

ウマズイめんくい村に帰った翌日。よく鼻の効く村民2号が目を星にしながらネコ足でやってきた。鋭すぎる。
「早く試食しましょ。小川軒、久しぶりね」
紅茶を入れ、レイズン・ウィッチを食べた後、ノア・ショコラを箱から取り出した。

           小川軒 
           この包装

見た目は小さなブラウニー(チョコレート菓子)だが、セロファンの包みを取ると、その精緻な世界が現れてきた。横から見る。生チョコレートの層が真ん中に伸びていて、さらにフランス産ラズベリー(木いちご)のジャムがルビーの川のように流れている。それにゴロッとしたクルミが惜しげもなく露出していた。うーむ。

           小川軒⑤ 
           ノア・ショコラ(手前)とレーズン・ウィッチ
           小川軒② 
           濃厚と複雑なしっとり
           小川軒⑥ 
           ま、ひと口

「この濃厚でしっとりとしたチョコレートと柔らかな生地はさすが小川軒、と言いたくなるわ」
ラズベリージャムが意外に効いてる。口に入れた途端、生チョコの風味がすごい。酸味の効いたラズベリーがそれにいいアクセントを付けている。さらにクルミの食感と風味が立ち上がってくる。レーズン・ウィッチについては今さらいうことはないけど、このノア・ショコラは村長にとっては新しい発見だな。脳がシビレそうになる」
「ずっとシビレていれば? 美味いけど、値段が安くはない。だから、第二のレイズン・ウィッチにはなれないわよ」
「1個320円強か。ビンボーになった村長にはちょっとぜいたくすぎたかな」
「当たり前でしょ。ご褒美として年に1回くらい味わうくらいがちょうどいいんじゃない?
「1年に1回かあ。まるでバレンタインデーだな。でも1年後、生きてるかなあ」
「大丈夫、もしそうなっても私が代わりに食べてあげるから」
「・・・・・」


本日の大金言。

初代・小川鉄五郎が新橋に洋食屋「小川軒」を創業したのは明治38年(1905年)。レイズン・ウィッチ作りに着手したのは東京オリンピック後。どうやら昭和50年代に初めて店頭に出たようだ。定番の味に辿り着くには、長い年月とたゆまぬ努力が隠れている。




                  小川軒⑧ 

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プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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