名物「助平屋」の焼きまんじゅう

 「まるで南極だよ。雪かきに来てほしい」
先日の大雪で上州の被害は相当なもの。村民2号の大叔母から、そんなSOSが来ていた。このところ多忙だった彦作村長は、ポンコツ車を飛ばして、大叔母の家へと急いだ。大雪から10日ほど経っているのに、家の周りは根雪で、身動きができないほどだった。ぎっくり腰の身体にムチ打って、何とか根雪を片付け、出入り口を確保すると、すでに午後3時を回っていた。

「ああ、これで買い物にも行けるし、カラオケにも行ける。ありがとう」
大きく手を振る大叔母を後にして、ウマズイめんくい村の一行は、太田市方面へと急いだ。ここにある焼きまんじゅうの老舗「助平屋(すけべや)」でお茶しようと思ったからだ。焼きまんじゅう一筋創業95年という群馬の中でもかなりの老舗である。
「店の名前が助平だなんて、ヘンでしょ? 昔からそうなのよ」
「何か特別に美味そうな予感がする」

           助平屋① 
           おお助平屋!
           助平屋② 
           暖簾をくぐると・・・

例幣使街道の木崎交差点からすぐのところに「助平屋」の木の看板が見えた。「焼きまんじゅう」の真っ赤な幟(のぼり)も上州らしい。古民家風の一軒家で、紺地の暖簾をくぐると、大きな木のテーブルと4人掛けのテーブルがいくつか、まるで水戸黄門の世界にでも紛れ込んだようだった。券売機で「焼きまんじゅう(みそだれ)」(1本180円)と「辛みそだれ焼きまんじゅう」(1本200円)を買い求めた。お茶はセルフサービス。

          助平屋④ 
          昔ながらの炭火焼き

奥が厨房になっていて、昔美人が2人、炭火で大串を刺した焼きまんじゅうを焼いているところだった。焼きそばも美味そうだった。いい匂いが鼻先に漂ってきた。夕方なのにお客がどんどん出入りしては「焼きまんじゅう」をパクついていた。群馬県民と焼きまんじゅうは切っても切り離せないというのは本当のようだ。

            助平屋⑤ 
            辛みそだれ(手前)とみそだれ(向こう側)

10分ほどで、目の前に皿に乗った2種類の「焼きまんじゅう」がドンと置かれた。竹の大串に1本あたり4個の焼きまんじゅうが、食欲中枢を刺激する香ばしい匂いをジュウジュウと放っていた。味噌ダレが醤油のようにほどよく焦げて垂れていた。それを別の竹串で取り外していく。村民2号は手慣れたもの。

           助平屋⑦ 
           あわてるな、1個ずつ外していく

「これこれ。これがたまらないわ」
村民2号がふうふうしながら、まずは「みそだれ」にかじりつく。村長も続く。ねっとりしたかなりの甘だれで、それがふっくらと焼けた小麦だけのまんじゅうとよく合う。
「ここの味噌ダレは砂糖の他に水飴も入れてるのよ。このこってりが人気の秘密で、そこが好き嫌いの別れるところなの」

「辛みそだれの方がインパクトがあるな。単に唐辛子をまぶしただけ。アバウト過ぎるのが、わかりやすくていい」
「でも、この唐辛子代がプラス20円というのはちょっとねえ」
「サービスにしてくれたらもっといい。でも、スケベな感じはしないなあ」
「店名の由来は、まんじゅうが焼くとすぐに膨れる。つまり、お腹がすぐ大きくなるに引っ掛けて、スケベにしたらしいわ。上州のユーモアよ」

           助平屋⑨ 
           甘みそと唐辛子
           助平屋⑧ 
           香ばしいふわふわ

「この味噌ダレ、気に入った。村民2号から教えてもらうまで、焼きまんじゅうのどこが美味いのかわからなかったけど、今は違う。これは欧州のパン文化に匹敵する日本の小麦粉文化の粋だと思う。インドのナンにだって負けない。上州食文化の凄味を世界遺産にしたいくらいだ」
「でしょ? 上州の偉大さがわかるでしょ? 栃木や茨城と一緒にしないでほしい」
「秘密のケンミンショーの見過ぎだよ」
「日本のへそは上州にあり」
「その下が問題」
「・・・・・・」


本日の大金言。

焼きまんじゅうはスケベである。焼きまんじゅうはエロティックである。この素晴らしさはどこか曼荼羅の世界に通じている。





                        助平屋12
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プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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