和製スコーン「桐生の花ぱん」

 坂口安吾も通った料理屋「芭蕉」を出て、春空の下、桐生市内の糸谷通りを散策していたら、「さくら餅」とか「うぐいす餅」とか「花ぱん」の文字が目に入った。グイと引っ張られるように、ウマズイめんくい村村長の足が勝手にその店に飛び込んだ。「梅月(ばいげつ)」という如何にもディープな和菓子屋さんだった。敷居は低いが、創業80年になる生菓子屋だった。お世辞にもきれいとは言えないその風情に、村長の好奇心がむくむくと湧いてきた。ところで「花ぱん」って何だ?

           梅月2 
           おいでおいで

「花ぱんも知らないの? 桐生に昔からある焼き菓子よ。昔よく食べたわ。食感はスコーンに似ている」
桐生生まれの村民2号が花ぱんのような表情になった。鼻が上を向いている。
一袋12個入り300円。安いのでゲット。さらに「さくら餅」(1個110円)もゲット。その他「焼き大福」などいくつかの生菓子も包んでもらって、ウマズイめんくい村に持ち帰った。全体的に安いのが好感。

           梅月5 
           さくら餅と焼き大福

添加物を使用していないので、生菓子はその日のうちに賞味しなければならない。だが、餅の表面が焼かれた焼き大福は少々期待外れ。餅の伸びがなく、しかも粒あんもそれほどの風味がなかった。福岡・大宰府天満宮の「梅が枝餅」を期待したのだが・・・。
「田舎の大福ってこんなものよ。東京とか京都の大福を基準にしているから、そうなるのよ。これはこれでいいの」
村民2号にたしなめられて、次の「さくら餅」に移った。

           梅月② 
           この圧倒感

こちらは手づくり感十分でなかなかのもの。薄いピンク色の皮とこしあんのボリュームが110円とは思えない。北海道十勝産の小豆を使用、甘さは控えめで塩の加減がちょうどいい。塩漬けの桜の葉も渋い。素朴な美味。

           梅月④ 
           花ぱんどすえ

いよいよ問題の「花ぱん」を賞味することに。表面がガサッとした砂糖で覆われている。それがまだら状で、一つ一つバラバラなのが、手作り感を高めている。素材は卵と小麦粉、ハチミツ、重曹しか使っていない。たまごパンに近いのかな、と思いながら食べてみる。だが、甘さは似ているが、歯触りはウエット感が少なく、むしろスコーンに近い。いわば和製のスコーン。白く固まった糖蜜がいい食感となって、生地のボソボソ感を引き立てている。どこか懐かしい焼き菓子。駄菓子屋の匂いもする。

           梅月② 
           絶景かな
           梅月③ 
           齧ることから始まる

「どう、今回の旅で桐生の実力がわかったでしょ? 花ぱんは他の店も美味いはずよ。この周辺には花ぱんの店がいくつかあって、シソ味や味噌味もあるはずよ」
「桐生は織物で栄えた往年の活気はなくなったけど、至るところに文化の名残りがあるね。村民2号にも名残りがあるよ」
「名残り? 会津生まれの村長には言われたくないわ。エイズ~バンザイサン・・・」
「またも出ましたァ~、三角オンナァ~」
犬も食わない無意味な県民ショーがしばらく続くのだった。


本日の大金言。

東京や京都を日本の中心と考えるのは間違いだと気づく。立ち位置をどこに置くか。文化の多様性を見ようともしないのは、自分を馬鹿と言っているのとそう変わらない。




                  梅月⑤ 




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プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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