どんぶらこ謎の「あんみつ」

 老舗といわれる甘味屋にはそれなりの雰囲気というものがある。建物、作り方、店の応対、味わい。そうした一連の流れとはまるで違う演出型の甘味屋と遭遇した。さいたま市大宮駅のルミネをいつものように散策していると、「あんみつ」の暖簾が見えた。地元ではよく知られた「甘味屋 田むら」だった。お客のほとんどは女性で、広い店内にはテーブル席の他に、流れるプールのようなUの字型のカウンター席もあった。村長の好奇心がむくむくと湧いてきた。

           田むら① 
           甘味屋「田むら」(ルミネ大宮店2)

ええ、このコーナーに座っていただくと、注文したものがこの川を流れてくるんですよ。回転ずしの甘味屋版みたい? そうかもしれませんが、ウチの昔からのやり方でもあるんですよ。他でこういう出し方をしている店はないと思います」
女性スタッフの説明を受けながら、村長はその一角に腰を下ろした。頼んだのはむろん「あんみつ」(550円)である。

           田むら③ 
           まさかの世界
           田むら④ 
           桃太郎ではなくあんみつ

こりゃ、まるでどんぶらこと流れてくる桃太郎の桃ではないか。6~7分ほどの待ち時間で、流れの向こうからお盆に乗って「あんみつ」がやってきた。風流を超えて、面白すぎる。「田むら」は素材にかなりこだわっているようで、例えば「あんみつ」。粒あんと赤えんどう豆は北海道富良野産、こしあんは十勝産、黒蜜は沖縄波照間産の黒糖を使用・・・と表示している。問題は味。

粒あんとこしあんをブレンドしたというあんこは、甘みと塩みのバランスがいい。登場の仕方がキワモノと紙一重だが、あんこは本格的で、いい風味が口中に広がる。あんみつはあんこと寒天が命だと思う。その寒天は小粒で、特筆するものは感じない。赤えんどう豆も普通。求肥は2枚で、これも印象は薄い。ミカンも黒蜜も普通の印象。

           田むら⑥ 
           沖縄産の黒蜜
           田むら⑦ 
           寒天と赤えんどう豆
           田むら⑧ 
           あんこの美味

全体としてよくまとまっているが、上野「みはし」のような深みは感じない。中途半端な満足度のまま、村長はほうじ茶をすする。目の前の小さな川をジッと見る。この遊び心がこの店の隠し味ということなのかもしれない。ゆく川の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず・・・という「方丈記」の一節が浮かんできた。

文句を言いながら「あんみつ」を食べているアータも、この川の水と同じなのだよ。いやさ、おつなも永田町も日本も世界も人間の営みさえも水なのだよ。どこからかそんな声が聞こえてくる。調布先生の声のよう・・・ありゃりゃ・・・妙な終わりになってしまった。


本日の大金言。

村長がたまに顔を出す「おつなセミナー」が、「笑っていいとも」とほぼ同時に33年の歴史に幕を閉じることを宣言した。ゆく川の流れ、ということなのだろう。33年! 燦々と散々。主催者の調布先生はタモリに負けないくらい偉いと改めて思う。




                       田むら⑨ 

スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

最新記事
カテゴリ
彦作のつぶやき
最新コメント
月別アーカイブ
カレンダー
05 | 2017/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -
最新トラックバック
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR