地上51階のプチ贅沢ランチ

 馬鹿と煙りは高いところに昇りたがる。何ということだ。ウマズイめんくい村にもそんな瞬間が訪れてしまった。
「今日は私の誕生日。たまにはパーッと高いところで、ステーキを食べたいな。ここんところゴッドマザーの介護とかで疲れちゃった。栄養補給しなくっちゃ。キオも呼んで、パーッと行きましょ」
村民2号の何回目かの誕生日。泣く子と村民2号には勝てない。彦作村長は黙って立ち上がると、とっておきの店を用意することにした。

           みその① 
           51階のプチ贅沢

その3時間後、キオも加わった怪しい一行は東京・新宿住友ビル51階に舞い降りた。あの鉄板焼きステーキの元祖「神戸みその 新宿店」である。ディナーは高すぎるので、ランチタイムでごまかすことにした。村長のやさしい(?)配慮。ここの「Cランチ」(2806円、税別)はコスパ的にはF難度だと思う。3000円で1万円以上の贅沢(ぜいたく)。そんな気分。

           みその1  
           厚さ20センチの鉄板

メーンが国産牛のフィレ肉130グラム。それにサラダ、焼き野菜、ご飯、味噌汁、お新香が付く。さらにコーヒーまで付いている。「みその」は1945年(昭和20年)神戸の地で創業の老舗。世界で初めてシェフが客の目の前でステーキを焼く「鉄板焼きステーキ」を考案、「Teppanyaki」の名をを世界に知らしめた店でもある。村長はそっとグラスワインを頼む。

コの字型の鉄板焼きカウンター席で、シェフの見事なワザに目が釘付けになる。外人客もいる。ガーリックと脂のいい匂い。右手には絶景。やがて切り分けられたミディアムのフィレ肉がシェフの手で目の前に置かれた。村民2号の目がらんらんとしている。サラダから食べ始める。続いて本命のフィレ肉へ。言葉が出てこない。普段は口数の多いキオも黙々と味わっている。

           みその  
           素晴らしき世界
           みその⑥ 
           フィレのミディアム
           みその⑦ 
           ま、食べておくんなさい

まず肉の柔らかさに驚く。赤穂の天然塩しか使っていない。肉自体の旨味が見事に引き出されている。そのシェフの腕。ご飯は固め。赤だしの味噌汁も美味。
本来ならガーリックライスと行きたいところだが、「Cランチ」なので我慢ガマン。シェフの応対も老舗の気配りが効いている。

           みその⑧
           この贅沢

「美味いわ。私の41回目の誕生日としては安上がりだけど、とても3000円とは思えない満足度よ。すごい贅沢をした気分
辛口の村民2号が食後のコーヒーを飲みながら、溜息混じりに言った。
「あれっ、計算が合わない」
キオが突っ込む。
「細かいことは気にしない」
村民2号がボケる。
「とにかく何回目か忘れたけど、誕生日、おめでとう。よかった、よかった」
村長がアバウトにまとめにかかる。
馬鹿と煙りの豪勢な51階のランチは、タイムアウトまで5分を切っていた。


本日の大金言。

老舗のランチタイムは狙い目である。「最高に近い贅沢」を安く味わうにはこの手に限る。



                       みその⑨ 

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プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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