喧噪の中の別世界チーズケーキ
最近、東京・新宿で見つけた隠れ家的な地下の喫茶店の話。
「割烹中嶋」の美味くて安い絶品ランチを堪能した後、新宿御苑をぶらぶら散歩。八重桜の見ごろが続いていた。村民2号はゴッドマザーの身の回りのお世話や何やらで目の下に隈が出来ている。足が棒になりかかったあたりで、コーヒーを一日3杯は飲まないと発狂する村民2号がさり気なく言った。
「伊勢丹の近くにステッキ―なカフェを見つけたのよ。この前、キオと散歩中に入ったら、これがいい店だった。コーヒーが美味いうえに、レアチーズケーキが絶品だったわ。ちょっと贅沢だけど、そこ行かない?」
新宿御苑の八重桜
それが「炭火珈琲 素多亜(すたあ)」だった。大正モダニズム風のレトロな入り口。ドアを開けると地下へと階段が続いていた。パリの下町にでもいるような錯覚に陥りそうになった。店内はアイボリーの壁とダークブラウンの木のテーブルと床。アールヌーヴォー風のさり気ない、趣味的な世界。2人用のテーブル席が7つほど、8人ほど座れる大きなテーブルが一つ。ほぼ満席だった。
この入り口の地下の別世界
何よりも8人ほど座れるカウンターが目を引いた。そこで白シャツに黒い蝶ネクタイ姿の初老のマスターが注意深くコーヒーを淹れていた。隣りには奥さんらしき女性。たまたま空いていた席に腰を下ろすと、苦学生のようなどこかぎこちない動きのウェイターが注文を取りに来た。爆笑問題の太田光をつい連想してしまった。飲み物はコーヒーだけという徹底ぶり。村長はブレンド(670円)とレアチーズケーキ(330円)、村民2号はブレンドとチョコレートケーキ(330円)を注文した。ケーキはリーズナブルだと思う。
スイーツはこの2種類だけ
このチーズケーキが確かに美味だった。クリームチーズをそのまま固めたようなレアチーズケーキで、口に入れた途端、濃厚な甘みとほどよい酸味が思い切り広がった。そのねっとりとした冷たい塊が舌の上で溶けていく。快感。ジャージー牛の牛乳でも使っているのかもしれない。ブレンドコーヒーは苦みと酸味とまろみのバランスがいい。
いい眺め
レアチーズケーキか?
チョコレートケーキか?
「ロースト感がいいでしょ? 香りもいい。カップも皿もウェッジウッドよ。あのマスター、かなりの使い手だわ。一杯670円は安くはないけど、この味わいなら仕方ないと思わせるものがある。このチョコレートケーキも中がムース風で、ところどころにクルミの粒が点々と入っていて、かなり甘いけど美味いわ。でも、私はチーズケーキの方が好みかな。取り換えましょ」
ケーキが自家製なのか、太田光君にこっそり聞いてみた。「いえ、自家製ではないです。特別なところのものです」。それ以上はわからないようだった。新宿の喧騒の中の別世界のひとときは謎を残したまま、終わったのだった。後日、電話で聞いてみようとしたが、誰も出なかった。
本日の大金言。
デパ地下もいいが、洒落たマスターのいるレトロな地下のカフェも悪くない。たまには大人の隠れ家で読書を楽しむのもいいかもしれない。
「割烹中嶋」の美味くて安い絶品ランチを堪能した後、新宿御苑をぶらぶら散歩。八重桜の見ごろが続いていた。村民2号はゴッドマザーの身の回りのお世話や何やらで目の下に隈が出来ている。足が棒になりかかったあたりで、コーヒーを一日3杯は飲まないと発狂する村民2号がさり気なく言った。
「伊勢丹の近くにステッキ―なカフェを見つけたのよ。この前、キオと散歩中に入ったら、これがいい店だった。コーヒーが美味いうえに、レアチーズケーキが絶品だったわ。ちょっと贅沢だけど、そこ行かない?」

新宿御苑の八重桜
それが「炭火珈琲 素多亜(すたあ)」だった。大正モダニズム風のレトロな入り口。ドアを開けると地下へと階段が続いていた。パリの下町にでもいるような錯覚に陥りそうになった。店内はアイボリーの壁とダークブラウンの木のテーブルと床。アールヌーヴォー風のさり気ない、趣味的な世界。2人用のテーブル席が7つほど、8人ほど座れる大きなテーブルが一つ。ほぼ満席だった。

この入り口の地下の別世界
何よりも8人ほど座れるカウンターが目を引いた。そこで白シャツに黒い蝶ネクタイ姿の初老のマスターが注意深くコーヒーを淹れていた。隣りには奥さんらしき女性。たまたま空いていた席に腰を下ろすと、苦学生のようなどこかぎこちない動きのウェイターが注文を取りに来た。爆笑問題の太田光をつい連想してしまった。飲み物はコーヒーだけという徹底ぶり。村長はブレンド(670円)とレアチーズケーキ(330円)、村民2号はブレンドとチョコレートケーキ(330円)を注文した。ケーキはリーズナブルだと思う。

スイーツはこの2種類だけ
このチーズケーキが確かに美味だった。クリームチーズをそのまま固めたようなレアチーズケーキで、口に入れた途端、濃厚な甘みとほどよい酸味が思い切り広がった。そのねっとりとした冷たい塊が舌の上で溶けていく。快感。ジャージー牛の牛乳でも使っているのかもしれない。ブレンドコーヒーは苦みと酸味とまろみのバランスがいい。

いい眺め

レアチーズケーキか?

チョコレートケーキか?
「ロースト感がいいでしょ? 香りもいい。カップも皿もウェッジウッドよ。あのマスター、かなりの使い手だわ。一杯670円は安くはないけど、この味わいなら仕方ないと思わせるものがある。このチョコレートケーキも中がムース風で、ところどころにクルミの粒が点々と入っていて、かなり甘いけど美味いわ。でも、私はチーズケーキの方が好みかな。取り換えましょ」
ケーキが自家製なのか、太田光君にこっそり聞いてみた。「いえ、自家製ではないです。特別なところのものです」。それ以上はわからないようだった。新宿の喧騒の中の別世界のひとときは謎を残したまま、終わったのだった。後日、電話で聞いてみようとしたが、誰も出なかった。
本日の大金言。
デパ地下もいいが、洒落たマスターのいるレトロな地下のカフェも悪くない。たまには大人の隠れ家で読書を楽しむのもいいかもしれない。

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