隠れ処で味わった〆の「だし茶漬け」

 ウマズイめんくい村に飛び込んだ久しぶりの明るいニュース。村長のワイン仲間でもある、山川酒屋の若旦那がついに金星を射止めた。GW最終日、そのお祝いを埼玉・加須市の「酒楽・食彩 べんてん」で行った。この「べんてん」が秀逸な店だった。給料のおそらく半分くらいをワインに注ぎ込んでいる畏友・加山プロフェッサー行きつけの店。ここで〆に食べた「だし茶漬け」が実に美味だった。

           べんてん① 
           居酒屋「べんてん」

加須市はジャンボ鯉のぼりとうどんの街だが、数は少ないながら、いい居酒屋もある。以前、「吉田類の酒場放浪記」(BSーTBS)で、「居酒屋 平八」が取り上げられたが、悲しいかな、その後暖簾をたたんでしまった。「べんてん」はもし吉田類がやってきたら、かような場所にかような店があるとは・・・と驚くだろう。寡黙な主人と日本酒通の女将が切り盛りする小さな店で、とにかく出される料理がすべてレベル以上で、しかも安い。京都にお住いの調布先生が教えてくれた東京・北千住の「やすらぎ」とは違った意味で、首都圏60キロ以内の隠れた名店だと思う。

           べんてん④ 
           センスとこだわり
           べんてん⑥ 
           リーズナブルである

生ビールで乾杯した後、いくつか料理を頼んだ。村長は生ビールから、「本日の女将のおすすめの日本酒」の「美田 純米吟醸生」(600円)へと移った。福岡の地酒で、すっきりしたまろみとかすかな吟醸香が特徴で、「茨城産天然平目の刺身」(680円)とよく合う。刺身の新鮮さと盛り付けがとてもいい。村長は「富山湾内ホタルイカの酢味噌かけ」(480円)が特に気に入った。おそらく大宮の魚市場から買い出してくるのだろう、ぷりっとした鮮度と甘みが口に入れた途端、広がる。

           べんてん⑦ 
           天然平目。エンガワもしっかり
           べんてん⑧ 
           富山湾内のホタルイカ
           べんてん⑨ 
           「美田」を残すな
           べんてん10 
           アルガブランカイセハラ2011

「では、若旦那の結婚を祝って、特別のワインを開けましょう。持ち込み厳禁ですが、今回のみ特別に・・・」
加山プロフェッサーが、今注目の入手困難な甲州ワイン「アルガブランカイセハラ2011」を抜栓した。これがアロマといい、口に含んだ時のエレガントな果実味といい、「甲州種のイメージを変える」という評価を確かに裏付ける逸品だった。

酔いが回り、時間が経つにつれて、若旦那の顔は真っ赤、はんなり嫁さんのきれいな顔にもほんのりと紅が差してくる。新婚の輝き。「美男美女で、いいカップルねえ。私たちとは大違い」と村民2号がボヤキを入れる。遠い目。村長はすでにヨレヨレ。ろれつが怪しくなっている。それでもさらにワインを注文し、杯を重ねる。宴がたけなわになった頃、「では〆のだし茶漬けと行きましょう」と加山プロフェッサー。

          べんてん11 
          仕上げのだし茶漬け

この「だし茶漬け」(480円)がかなりのものだった。梅、海苔、明太子が選べる。村長は「海苔」を選んだ。たぶん鰹節と昆布で取った出汁と薄口醤油の加減が絶妙で、ワサビを少し溶かして、箸でかっ込むと、五臓六腑に和の旨みがじんわりとしみ込んでくる。海苔の香りとともに「今生きていることのささやかな幸福感」が広がってくる。何という陳腐な表現。まさかの場所でプロの料理人の味。村長の恍惚。天国まで後8マイル・・・。



本日の大金言。

恋は人を盲目にするが、結婚は視力を戻してくれる。(リヒテンベルグ) 結婚前には目を開け、結婚してからは目をつむっていることだ。(トーマス・フラー)


                     べんてん12 

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ありがとうございます

加須を取り上げていただき感謝したします。加須はうどんと鯉のぼりの町をシンボルにしておりますが、うどんを食べにくる観光客はなかなか増えません。「べんてん」のような居酒屋は大変貴重です。加須の住人でも知っている人は少ないと思います。こういう店をもっともっと紹介していただければ、加須も活気づくと期待できます。
プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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