村犬チャイ君、天国の特派員を命ずる

 ロンドンオリンピックが盛り上がる中、悲しい知らせをしなければならない。
ウマズイめんくい村のアイドル犬でもあり、彦作村長と一緒に鼻をひくひくさせて「うまいもの探し」の諜報活動も行っていたチャイが、7月27日午後2時46分、ついに帰らぬ犬となった。

               ちゃい③ 

直接の死因は「いろんなものがいっぺんに来たけど、胃のあたりにガンがあり、それが腎不全と合併したのでは?」とヤギ先生。11歳と6か月。オス、雑種。短いと言えば短い、長いと言えば長い人生、いや犬生だった。

6月に入ってから急に動きが鈍くなって、ちょっと前まではあんなに元気で病気知らずだったのに、まるで100歳の老人にでもなってしまったような変化だった。ヤギ先生の病院に何度も通い、東京に出稼ぎに出ていたキオがお見舞いに駆けつけたときなどは急に元気を回復、一時は「奇跡が起きるかもしれないぞ」と思われたが、7月に入ってからは、食欲もガックリ落ち、20日過ぎたあたりからはすべての食事を受け付けなくなった。

それでも最後の最後まで、大好きだった散歩には出たがり、村長が「チャイ、散歩行くか?」と言うと、最後の力を振り絞るようにヨロヨロと立ち上がろうとする。村長と美熟女の村民2号はチャイを抱きかかえて、いつもの散歩コースだった「イチョウ公園」や「さくら公園」に出る。体が次第に動かなくなり16キロあった体重もみるみる10キロを割りこんだ。

              ちゃい② 

不思議なことに、時折見せた苦しそうな表情も次第に減っていき、まるで生命が純化するかのように、目も顔もきれいに穏やかになっていく。最後の1週間などは、「チャイ、がんばれ」と励ますこちらが逆に「村長たちこそがんばれ」と言われているようだった。

それでも、最後の2日間は、村長と村民2号が側から離れると、「クーン」と鳴いた。息を引き取る寸前にはペロペロと水も飲んだ。その瞬間は、村長も村民2号も気が付かないほど、自然な引き際だった。
ある時はおバカな、ある時は実にかわいい、またある時は村長よりも頭がよさそうな、ひと言では言い表せないほどの宝を残してくれた。

事態を察知した京都にお住いの調布先生は「一緒に散歩に行ったとき、公園でウンチをしまくったあの元気な姿が忘れられない」と弔電をくれた。等々力夫人は「チャイちゃんは、きっと星になったのね」と弔辞を述べてくれた。

今年4月に社会人になったキオは、
激務の合間を縫って東京から「最後のお別れに行ってよかった。チャイ、天国でチョメと仲よく遊んでね」とメッセージを寄せた。

チョメとはチャイを飼う前に16歳で星になった赤トラの猫である。チョメが死んだのは13年前の7月28日だった。チャイと1日違いの命日で、村民2号は「チョメが呼んだのかなあ」と不思議がる。

亡くなった翌日の28日には、ペット葬儀屋さんが出張してくれて火葬。そして、きのう29日。チャイが元気な時に走り回った庭に遺骨を埋葬した。葬儀屋さんが「相当な病気だったんですねえ」と驚くほど小さな骨だった。合掌。

         ちゃい① 

さて、悲しんでばかりいる場合ではない。ウマズイめんくい村村長・赤羽彦作として、天国に行ってしまった村犬チャイ君に「辞令」を出さなければならない。


 辞令

チャイ殿、キミを「ウマズイめんくい村天国支局」の特派員に任命する。天国から、地上のうまいもの探しに協力するように。遊んでばかりいると、減俸もあることを忘れないでもらいたい。

                              
                                ウマズイめんくい村初代村長
                                     赤羽彦作

                                                       
                                平成24年7月30日


                               ちゃい③ 
                                                    
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村長さんへのお悔やみ

そうですか、小生のブログにも登場した美白犬「チャイ」君は死んでしまったのですね。飼われて幸せは生活を送っている犬は目を見ると分かると言うけど、チャイ君の目は本当に屈託のない目をしていますね。幸せな犬生を送ったのであれば、村長さんもそれなりに満足して天国に送り出せたことと思います。生者必滅で、生きるもの必ずいつか別れがあるものです。悲しみを素晴らしい思い出に変えてください。でも、ああ、うちのばか犬といつか別れがあるのかと思うとつらい、、。

NoTitle

とても魅力的な記事でした!!
また遊びに来ます!!
ありがとうございます。。
プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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