「銭湯→加須うどん」まさかの黄金コース

 何ということだ。居酒屋と銭湯の街・北千住で、埼玉・加須市にある風情のある銭湯「ときわ湯」の話を聞き、一度行ってみたいと思っていた。加須はうどんの街でもあり、浴衣姿でときわ湯に浸かってからうどんを賞味しようと機会をうかがっていた。だが、その黄金のプランがもろくも崩れてしまった。

           ときわ湯① 
       ときわ湯に到着したが・・・(埼玉・加須市中央)

「ときわ湯」が今年6月末に閉店していたのである。戦前に創業、東京オリンピック前の昭和38年に建て替え、北千住の銭湯にも負けない桧(ひのき)の大黒柱、木組みの番台、ペンキ絵、吹き抜けの高い天井・・・それらがガランとした廃屋となっていた。たまたま二代目の店主がいて、写真を撮らせてもらったが、「後継者がいない」という理由で、約50年の歴史に幕を閉じた。「時代の流れですよ」二代目は寂しげに首を振った。

           ときわ湯② 
           何ということだ
           ときわ湯④ 
           往時の名残りが・・・
           ときわ湯⑥ 
         高い天井とペンキ絵

来るのが1か月遅かった・・・。村長は頭を切り替えて、加須市久下にある「手打ちうどん・そば こぶし」の暖簾をくぐることにした。ここはうどん通の知人が「加須の中でも特に美味い」と教えてくれた店。風情のある古い一軒家で、入ると、すぐ右手に打ち場があり、テーブル席、小上がり、座敷がゆったりと広がっていた。

           こぶし① 
      加須うどんの三ツ星?(久下「こぶし」)

メニューの中から「もりうどん」(税込490円)とお好み天ぷら「舞茸天」(1個110円)を選んだ。合計600円。我ながら渋い選択。15分ほど待つ。注文してから天ぷらを揚げているようで、厨房から油が軽やかにはねる音が聞こえてくる。大釜でうどんを茹で上げ、冷水に晒しているのもわかった。

           こぶし③ 
           もりうどんだっぺ

もりうどんは太麺だが、さぬきほどではない。地粉100%で、手でこねた後に足踏みし、さらに寝かせに時間をかける。丁寧なつくりのうどんで、絹のような光沢と口に入れた途端、つるっとした食感が心地よい。さぬきのような強いコシではなく、モチモチッとしたうどん。コシもしっかりある。村長はこれまで加須うどんは数軒食べているが、正直に言うと、玉石混交で、「田舎のうどん」の域をほとんど出ていない。だが、ここはマル。

           こぶし④ 
           もりうどんと舞茸天
           こぶし⑤ 
         むむ・・・絹の光沢
           こぶし⑧ 
           かなりのレベル
           こぶし11  
           醤油をひと垂らし

ツユも鰹節と鯖節、それに干しシイタケの出汁が効いていて、かえしとのバランスがいい。甘すぎず辛すぎず。舞茸天のマイタケは加須産のもので、カラッと揚げられていた。かなりの大きさで、110円という安さも好感。ここにも職人がいる。BGMがクラシックであることに気付いた。村長は、閉店したときわ湯を想いながら、柄にもなく、感傷的な気分になるのだった。


本日の大金言。

思い立ったが吉日。人生は長いようで短い。ローカルのいい銭湯が消えるのは、永田町の建物が一つ消えるよりはるかに悲しい。



                         こぶし12
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赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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