古都郊外の恐るべきかき氷屋

 毎日暑すぎる。ウマズイめんくい村も夏バテ状態。村民2号も大の字。隣りの犬も脱水症状で病院入り。そんなところに、かき氷好きの友人からメールが入った。

「東京のかき氷なんてコスパがひどすぎる。村長が書いた菖蒲のかき氷も凄いけど、1時間待ちが当たり前で、しかも安くはない。足利市郊外にあるかき氷屋に行ってみるべし。目からウロコかも(笑)」
むむむ。村長は、その挑発的なメールを読んで、おもむろにポンコツ車を飛ばすことにした。村民2号がむっくりと起き上った。

炎天下、東北道を飛ばし、佐野藤岡インターで下りて、国道50号に入る。そこからさらに古都・足利方面へ。その郊外、八幡八幡宮を超えると、目的の「三船屋」が見えてくるはず。「三船屋」は地元では知られた甘味屋で、紺地の幟(のぼり)と「氷」の文字が陽炎の中でひるがえっていた。いい佇まい。懐中時計を見ると午後4時過ぎ。駐車場は狭く、5つほどあるテーブル席は満杯で、何人かが順番待ちをしていた。とはいえ、埼玉・菖蒲町の「雪みるく」ほどではない。

           三船屋① 
           ついにめっけ!(足利市「三船屋」)

5分も待たずにテーブル席に腰を下ろし、村長は「氷あずきミルク」(340円)を、村民2号は「氷宇治金時」(360円)を頼んだ。創業65年の店で、二代目という店主が忙しそうにかき氷を作っていた。女性スタッフが2人。「ウチはもともとは羊羹屋なんです。自家製のあんこが売りで、夏はかき氷、冬はたい焼きを出してます」と店主。年季の入った木の棚にはさり気なくガラスのいい器がいくつも置いてあり、この店が、「庶民の正統派かき氷屋」であることがわかる。氷は「奥秩父源泉の氷」を使っているようだ。

           三船屋② 
           いい雰囲気である
           三船屋④ 
           どれにしようか

7~8分ほどで、「氷あずきミルク」がやってきた。透明なガラスの器に真っ白い氷の山がそびえ立っていた。その頂上辺りから練乳が夢のように雪崩れ落ちていた。そのビジュアルに感心。面白いことに、肝心の小豆あんの姿が見えない。
「あれっ、変だな。氷ミルクが来ちゃったんじゃないか?」
「バカねえ。奥に隠れているのよ。きっと。ほら、うっすらと見えるでしょ?」
村民2号が、これまた見事な「氷宇治金時」を崩しながら、恍惚に近い表情で、村長の疑問に答えた。どうやら目が三つあるようだ。

           三船屋⑤ 
           氷あずきミルク登場
           三船屋⑥ 
           こちらは氷宇治金時

村民2号が言った通りで、中を崩してみたら、小倉色のつぶしあんがどっかと隠れていた。氷のきめ細かさが絶妙で、ふわりと表現したくなるものだった。練乳もたっぷりかかっていて、最初のひと口で、村長はこの店の実力がかなりのものであることを理解した。あっという間に氷の山が小さくなっていく。純度の高い甘露水、口に入れた途端広がるあんこの風味。思わず「かんろかんろ」という言葉が漏れた。これは一つの発見だった。

           三船屋⑧  
           奥が深い
           三船屋10 
           天然氷と練乳と・・・
           三船屋12 
           見事なつぶしあん
           三船屋11 
           参りました

「不思議ね。お腹が冷えない。この値段でこれだけのものは、東京ではちょっと考えられない。東京のかき氷屋はアグラをかき過ぎと言いたくなるわ」
「あんこも美味い。聞いてみたら、北海道十勝産の小豆で、砂糖は上白、それに三温糖も加えていると言ってたよ。あんこに相当力を入れているのがわかったよ。最近、プラスティックの器を出す店が増えているけど、ここはそんな手抜きではない。いい店を見つけた気分だよ。友人に感謝しなきゃ」
「私にも感謝しなきゃ。あんこの存在を教えてあげたでしょ? ごちそうさまァ~」
「・・・・・・」


本日の大金言。

値段が高いうえに大行列。メディアやネット情報がその流れを加速する。人の行く裏に道ある花の山。この言葉の意味を噛みしめたい。



                      三船屋14
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プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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