40年値上げせず、奇跡の50円甘味屋

 本日も暑すぎる。出来るものなら、氷の海に飛び込みたい。で、今回もかき氷。安くて美味いかき氷屋探しを決行中の村長が、仰天した店をご紹介しよう。この情報をくれたのも、かき氷好きの友人だった。

「最近かき氷に凝っているようですが、極めつけの情報を教えましょう。そこは今川焼きもやっていて、創業が昭和50年になる小さな店です。驚くべきはその値段です。創業当時の1個50円のまま。それでいて手抜きがない。それを食べながら、かき氷を食べるのがツウというものです。かき氷もメチャ安です」

創業が昭和50年というと、40年間近く値上げしていないことになる。まさか。村長は半信半疑でポンコツ車を飛ばし、埼玉・羽生市にあるその店を目指した。スイーツ界のイリオモテヤマネコみたいな天然記念物的なその店の名は「あま太郎」。以前、このブログでも取り上げた春日部「あま太郎」の弟が店主の店らしい。今川焼きの「あま太郎」は首都圏には今やこの2店しか存在していない。春日部は1個80円で、かき氷「アズキミルク」は270円だった。この価格も信じられない安さだった。

           あま太郎① 
           歴史的な看板(埼玉・羽生市)
           あま太郎② 
           昭和50年がそのまま

羽生市中央通りから少し入ったところに、ややさびれた感じで「あま太郎」の看板とかき氷の旗が見えた。だが、ここは隠れた人気店で、夕方になると近隣から客が殺到する。「あま太郎 1個50円」の文字が見えた。外からはわからなかったが、中にテーブル席があり、入ると、4人用のテーブルが3つ。意外に広い。村長は、創業以来約40年間値上げしていないという「あま太郎」(あずき、白あん1個50円)をまず頼んだ。同時にかき氷「アズキミルク」(200円)をしっかり注文した。春日部「あま太郎」よりさらに安い。これはひょっとして、日本一安いのではないか?

           あま太郎④ 
           驚くべき値段

価格が価格なので、味はさほど期待していなかったが、とんだ間違いだった。「あま太郎」は皮がもっちりとしていて、弾力もかなりある。「世の中の流れに負けてたまるか」という店主の意地を感じるほど。中の粒あんはそれが50円ということを一瞬忘れるほどの量で、口に入れた途端、小豆の風味がぐわんと広がった。塩気もかなり効いている。あんこはすべて自家製、小豆は北海道産、砂糖は上白糖を使用している。 白あん(これは春日部店にはない)も、国産の大手亡豆を使用し、白あんのいい風味が立っていた。こちらも塩が効いている。

           あま太郎⑧ 
       200円アズキミルクと50円あま太郎
           あま太郎3 
           まさかの中身(あずき)
           あま太郎6 
           こちらは白あん

「アズキミルク」は上から練乳がかかっていて、フツーの美味さだったが、200円という価格が信じられない。つぶしあんが美味。あんこの量が少なめなのは仕方ないにしても、「特盛」(別料金)のメニューも欲しい。とはいえ、これらの価格はあり得ない。これはよほどの覚悟と職人意識がないとできることではない。村長はこの店主に興味を持った。だが、忙しそうに「あま太郎」を焼いていて、声をかけるチャンスがない。

           あま太郎 
         アズキミルクを崩していく
           あま太郎11 
            あんこの美味

何とかほんの少しだけ話を聞いた。
「いつまで50円でやっていられるかわからないですよ。苦しいなんてもんじゃないです。でも、中身のレベルは落としたくない。これは意地かもしれません。ええ、春日部の方は兄がやってます。私も春日部で修業して、昭和50年にこの羽生で店を開いたんですよ」

村長はこの店主にシンパシーを感じた。同時に、世の中の広さを改めて思い知った。かような人物が2014年の8月の日本に存在している。砂漠の中の砂金のようなその事実。村長は最敬礼してから、ポンコツ車に向かった。ぎっくり腰。頭上には炎天。


本日の大金言。

埼玉の北の果てで出会った「スイーツ界の世界遺産」。高くて美味いは当たり前、安くて美味いがむずかしい。六本木ヒルズや永田町の対極に位置する小さな店。世の中は理不尽だが、そう悲観することもないかもしれない。









                       あま太郎9 

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プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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