標高1100メートルの「ガトーバスク」

「来る途中でいいカフェを見つけたのよ。そこ寄って行きましょ」
戸隠でそばを食べた帰り、バードラインの途中で村民2号が歌うように言った。何故か半音ズレテいる。こういう時は逆らってはいけない。一日にコーヒーを3杯飲まないと体調とアルファ波がおかしくなる。村長は仕方なく雨で緑が濃くなった樹林の先でポンコツ車を止めた。

          チェンバロ3 
          めっけ!

深緑の静寂の中に枕木の階段が伸びていた。その先に山荘のような一軒家。戸隠の喧騒が嘘のよう。「おいしいコーヒーあります」という文字が見えた。「カフェ チェンバロ」の文字。見ただけで只者ではない雰囲気が伝わってきた。村長は村民2号の美味いコーヒーを嗅ぎ付ける能力に舌を巻いた。

          チェンバロ2 
          天国へ8マイル
          チェンバロ1 
          ここはどこ?

調べてみたら、20年以上の歴史があり、オーガニックにこだわり、本格的なワインと料理も楽しめるカフェレストランで、夏の間だけ営業していることもわかった。天井が高く、ゆったりとした店内。グランドピアノがさり気なく置かれ、形の違うーブルが七つほど。午後2時近くだったためか、熟年のカップルが一組だけ。

          チェンバロ10 
          ガトーバスクって何?
          チェンバロ12 
          かなりのレベル

「あのう、コーヒーだけでもいいですか?」
B級の村長が恐るおそる聞いてしまうような雰囲気。
「はい、大丈夫ですよ」
オーナーらしい女主人が笑いながら答える。村民2号はすでに腰を下ろしかけていた。目尻が下がっている。

ここで食べた自家製「ガトーバスク」(540円)が実に美味だった。フランスとスペインの国境に位置するバスク地方の焼き菓子で、カスタードクリームをアーモンドのクッキー生地で包んで焼き上げたもの。見た目はアップルパイのよう。村長は当初スイートポテトが入っているとばかり思っていたが、作っているパティシエが「カスタードクリームとアーモンドクリームです」と説明してくれた。

          チェンバロ4 
          ガトーバスクの登場
          チェンバロ5 
          パティシエの腕前
          チェンバロ8 
          濃厚な歴史
          チェンバロ6 
          カスタードクリーム

添えてあったマスカットとブルーベリーは地場産のオーガニックもの。これもひと味違った。ブルーベリーは特に美味。
「私の目に狂いはなかったでしょ。めっけ、って感じ。コーヒーも美味しいし値段もリーズナブル。今度は料理も食べに来たいわ。8月いっぱいで今年は終わりらしいから、来年また来ましょ」
「来年はどうなっているかなあ」
「大丈夫よ。私はあと30年は持つから。村長だって1年は持つわよ」
「・・・・・・」


本日の大金言。

戸隠は蕎麦ばかりではない。標高1100メートルの本格スイーツの小世界。ガイドブックに頼らない探し方もある。




                      チェンバロ13 


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プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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