京都の凄み、三条会商店街のランチ

 昼メシどき、グルメ先生の案内でちご餅で知られる堀川の「三條若狭屋」前で待ち合わせ。ちご餅でも食べるのかと思ったが、そうではなかった。三条会商店街の入り口にある、時代から取り残されたような店の前でグルメ先生の足が止まった。「ジャポネコーヒー」というレトロな看板。喫茶店のようでもあり、洋食屋のようでもある。入り口のショーケースにはうどん定食、洋食弁当、ランチ、焼き飯、カレーライスなどが並んでいる。どこか東京下町の洋食屋にも通じるような世界。「ジャポネコーヒー」が店名かと思ったが、ちから」が店の名前のようだ。
           ジャポネ① 
           侘びしい外見だが・・・(洋食「ちから」)

「ここで昼メシにしまひょ。ボクが普段よく来るところ。ここは洋食弁当かランチ以外はダメですよ」
いつものヒッヒッヒがない。カレーライスか焼き飯にしようかと算段していた村長の心を見透かしたように、釘を刺す。まるで叔母さんの家にでも来たような慣れた手つきでドアを開ける。やや怪しい気配。
           ジャポネ② 
           レトロなショーケース

三条会商店街は百年ほどの歴史を持つアーケードの商店街で、全長800メートルの長さの中に180もの店が軒を並べている。魚屋、豆腐屋、パン屋、レストラン、ラーメン屋、衣料品屋・・・京都の日常の庶民生活が息づいている。そんな印象が村長には心地よい。調べてみたら「ちから」は創業が大正2年(1913年)で、今年で101年目という洋食屋さんだった。だが、京都では100年くらいの歴史の店は老舗とは言わないそう。
           ジャポネ③ 
          うむむのメニュー

グルメ先生も今年で何歳になるかわからない。一説では応仁の乱をナマで見たという情報もある。グルメ先生おすすめの「ちからランチ」の中から、「A ビフコロッケ、えびフライ、ポークチャプ」(870円)を選んだ。「ビフコロッケ」「ポークチャプ」という表記に思わず感動。お上りさんの悲しいサガ。本当のおばさんのような気さくな女将が一人で切り盛りしていた。

店内はダークブラウンのカウンター席、それに年季の入った木組みのテーブルが4つほど。古き良き洋食屋の趣きで、外から見たよりもゆったりしていて落ち着く。カウンターの向こう側が厨房になっているようだ。瓶ビールを頼んでそれを飲みながら、待つこと15分ほど。いい匂いとともに、Aランチがやってきた。
           ジャポネ④ 
           いい匂いとともに登場

ひと目でスグレモノだとわかった。このおばさん女将の腕前、只者ではない。「ポークチャプ」は箸で切れるほどに柔らかい。たぶんロース肉。口中に入れると、肉の旨味がほとばしってくる。上にかかっているデミグラスソースの美味。エビフライは尻尾がピンと上がっていて、カラリと揚げられている。こちらにはタルタルソースがかかっている。特製ソースのかかった「ビフコロッケ」はビフは少ないものの、雑味のないジャガイモと細かいパン粉のバランスがフツーにいい。どこにも手抜きが見られない。3種類のソースが何事もなくフツーにかかっていることの驚き。
           ジャポネ⑤ 
           ほとんど完ぺき?
           ジャポネ⑥ 
           ポークチャプの実力
           ジャポネ⑦ 
           えびフライの実力
           ジャポネ⑧ 
           ビフコロッケの実力

大きな茶碗に小山のように盛られた炊き立てのご飯。それに湯気が家庭的に立ったみそ汁。すべてがフツーに上等で、それがさり気なく目の前にある。これ見よがしの宣伝がかけらもない。舌代の安さ。グルメ先生はいつもこんなものを食べているのか。ガイドブックにも載っていない街の洋食屋さん。食べログにも出ていない。「ここはあんまり教えちゃいけませんよ」グルメ先生が声を潜める。村長は京都の奥の深さに改めて舌を巻いた。


本日の大金言。

フツーの旨さがフツーにあることの凄み。ガイドブックや食べログがあまりに軽く見える世界が京都の奥に隠れている。




                      ジャポネ11 

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初めての書き込みです。昨日は京阪・三条から 一本道の散策、。堀川通りを越えて直ぐの「力」に着いたのは集合時間の2分前。お愛想笑いもない女将と、同級生・グルメ先生らの温かい出迎えのなか、早速のオーダー。トンカツ、えびフライ、プレーンオムレツ870円。+コーヒー430円(このコーヒーお愛想抜き、美味しかった)。しめて1300円は満足、満足でした。あと、近くの神泉苑に足を延ばし、私にとっては心地よくいい一日でした。
プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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