緋毛せん縁台、まさかの「焼き草餅」

 新京極をブラブラしていた時に見つけた見つけた珍しい、きな粉でまぶした焼き草餅をご紹介しよう。新京極は明治になってできた比較的新しい繁華街で、かつては見世物小屋や芝居小屋が建ち並んでいたという。
一時はヤンキーがたむろしたり、地元の人も「難儀やなあ」と敬遠する時期もあったようだが、今では魅力的な店も増え、観光客はもちろん、地元の人や若者、外人の観光客などで賑わう通りとなっている。

           新京極① 
           ゲット、ラッキー?(京都・新京極)

美女らしき女性の後ろ姿に見とれていると、ふと、甘いいい匂いが村長の鼻腔をくすぐった。若い女性が草餅を焼いていた。甘味中毒者の悲しきサガで、目がびよーんとズームアップ。鉄板の上で、きな粉をまぶした大きめの草餅が薄っすらとキツネ色に焼かれていた。珍しいきな粉の焼き草餅! 「特製 京の草餅」(1個120円=税込み)の表記。見た目の美味そうさと値段の安さ。ゲット、ラッキーか?
           寛永堂 
           いい匂いが流れてくる

店は寛永7年(1630年)創業の「三条菓子司 寛永堂」だった。本店は四条にあり、ここは京極店。その老舗が縁日のような売り方をしているのが気に入った。多分新京極の成り立ちを取り入れての店の粋な計らいではないか。店の前に緋毛せんの縁台も置いてある。
           寛永堂① 
           あの老舗「寛永堂」だった
           寛永堂④  
           降参どす

「1個ちょーだい。あの縁台で食べてもいいの?」
「へえ、おおきに。もちろんどす」
草餅を焼いていた若い女性スタッフがにこやかに対応する。滝川某の「おもてなし笑顔」には少々違和感を感じていたが、この女性の笑顔にはなぜか違和感を感じない。

緋毛せんに腰を下ろすと、別の女性スタッフが温かいお茶を持ってきてくれた。見ると黒豆が2個入った黒豆茶。寛永堂は黒豆羊羹が売りだったことを思い出した。とはいえ120円のお客にこのおもてなしサービス。つい黒豆羊羹を買おうかという気持ちになってしまう。むろん、買わなかったが。
           寛永堂⑤ 
           120円のぜい沢

焼き草餅は手を汚さずに食べれるようにという配慮で、紙で包まれていた。焼き立てなので熱さがじんわりと手に伝わってくる。それが心地よい。きな粉をまぶした草餅は表面がキツネ色のこんがり感。かじると、よもぎの香りときな粉の香りが1・3倍ほど引き出されて口中に広がっていくのがわかった。その後から柔らかい、甘さを抑えた絶妙なつぶしあんが口中を支配していった。
           寛永堂⑦ 
           こんがりキツネ色
           寛永堂⑧ 
           ため息どす
           寛永堂⑨ 
           おおきに

よもぎ餅はちょうどいい厚さで、柔らかく伸びがある。その中にたっぷりと詰まったつぶしあん。小豆のいい風味が立ち上がってくる。塩気はない。予想以上の美味。「竹隆庵岡埜のこごめ大福」にも焼き草大福(1個210円=税込み)があるが、そのドテッとした野暮ったさとは比較しようがない。むろんその野暮ったさも好きだが、京都の奥の深さをここでも感じる。新京極を行き交う若いカップルを見ながら、村長は、ほんの一刻だけ甘味中毒者の幸せに浸るのだった。


本日の大金言。

空高く馬肥ゆる秋。テレビの前から、パソコンの前から、スマホの前から、諸君、外に出よう。安くて美味いものがきっとどこかにあるはずだ。話しはそれからだ。



                       寛永堂10 



 
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赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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