立食いそば界の「逸ノ城」

 立ち食いそばのレベルが猛スピードで上がっている。このブログでもご紹介しているが、十割そばや松茸そばまで登場するに至っては、かつてのような「安い早いマズイ」というイメージは無くなりつつある。今回ご紹介する立ち食いそば屋もその一つ。

東京・新橋での会合の後、西新橋方面へとぷらりぷらりと歩いていると、派手な店構えの立ち食いそば屋が目に入った。時計を見ると、午後3時過ぎ。新橋から虎ノ門にかけては立ち食いそば激戦区で、ここに店を出すということは相当な自信と覚悟が必要で、村長は昼飯を食べたばかりだったが、飛び込むことにした。
           大吉田 
           派手な外観

「そば処 大吉田(おおよしだ)」という店名で、調べてみたら、立ち食いそばファンの間でも赤丸急上昇の店だった。オープンして3年目。コの字のカウンター席と一列のカウンター席。全部で23~5席ほど。正面奥が厨房になっていて、そこで3人の男性が天ぷらを揚げ、大鍋でそばを茹でていた。メニューが多い。
           大吉田15 
           やや高めだが・・・

村長は券売機で人気ナンバーワンという「大吉田そば」(580円)を選んだ。「数量限定」という表記。注文してから茹で始めるようで、5~7分ほど待たされた。「お待たせしました」スタッフが持ってきてくれるシステム。お盆に乗った姿に軽く息を飲んだ。大きめの陶器のドンブリに巨大なかき揚げが花魁(おいらん)のように、どっかと寄りかかっていた。ウヒャー! 豪快な刻みネギとワカメがかすんでしまう。
           大吉田⑤ 
           ドヒャ!
           大吉田⑥ 
           かき揚げ屋~!
           大吉田⑦ 
           唐辛子をパラパラ
           大吉田10 
           逸ノ城土俵入り~

日本橋「よもだそば」の特大かき揚げに勝るとも劣らないデカさで、それは花魁というよりも大相撲の新怪物・逸ノ城に例えたくなってしまった。揚げ置きで、直径15センチは優にありそう。驚いたことに、この上にさらにデカい「超大吉田そば」(690円)もある。この店はかき揚げのデカさを売りにしているようだ。激戦区で生き残るにはこのくらいの常識破りは必要かもしれない。だが、問題は味。

そばは細麺で、嘉味庵の生めんを使っている。人形町の福そばと同じ麺。コシ、歯ごたえ、ノド越しともに高いレベル。ツユは一見濃い目だが、カツオと鯖節中心の出汁が効いていて、かえしもきつくない。ほどよい旨味。主役のかき揚げは「海老、いか、いかげそ、たまねぎ、にんじん、春菊」と書いてあるが、たまたまなのか、いかげそは見当たらなかった。イカが5個ほど、タマネギが目立つ。それ以上にコロモの存在感。これは仕方のないところ。
          大吉田⑧ 
          細麺も高レベル
          大吉田⑨ 
          ツユも高レベル
          大吉田11 
          崩れる前に

図体がデカいのにカラリと揚げられている。注意点はツユに浸かっている部分がどんどん崩れていくこと。そばの吸収も早いので、早めに食べなければならない。食べ終えると、お腹がかなり膨らんでいた。腹だけ相撲取り? 全体的に高レベルで、確かに立ち食いそば界の超新星だと思う。だが、村長の頭の片隅に、「安い早いマズイ」時代の猥雑な立ち食いそばがノスタルジックに佇んでいるのだった。


本日の大金言。

立ち食いそばには人生の味も滲み込んでいる。その隠し味はそう簡単には出ない。



                      大吉田13
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プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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