そば通が通う畑の中の隠れ家

 やっぱり世の中は広い。先日、ネットにもほとんど載っていない埼玉・羽生市郊外の田んぼの中のそば屋をご紹介したところ、辛口のそば通の知人が連絡を寄越し、「あまり教えたくない店だけどねえ」と村長を幸手市郊外へと案内してくれた。こちらはほとんど畑の中。「ここもメディアにあまり出てませんよ」と入った店は、そば打ちひと筋、筋金入りのそば職人の店だった。信州出身で、石臼挽き自家製粉、野菜も自家菜園という徹底ぶりに村長は軽く驚いた。これが確かに美味だった。
           夕づる① 
           そば通の隠れ家?

ウマズイめんくい村に帰ってからその話を村民2号にしたら、「抜け駆けはずるいわ」とプンプンし始めた。仕方がないので、日を改めて、幸手市郊外にあるその隠れ名店「夕づる」にポンコツ車を飛ばした。中川崎の畑のまん中の一軒家。午後1時に到着。駐車場に止まっている車のナンバーを見たら、東京からの客も多いことがわかった。
           夕づる 
           地味な入り口だが

すでに20年の歴史のあるそば屋で、入り口の暖簾の横の見えない場所に「昔のまんまのそばを打ちます」という小さな立て看板が見えた。暖簾をくぐって店内に入ると、歴史博物館に置いてあるような古いはた織り機が置いてあった。テーブル席と小上がり。右手には障子戸で区切られた日本間が二つ。奥が広い板場になっていて、店主と若い職人が忙しそうに働いていた。大釜からは湯気が立ち上っている。古いそば屋の活気。
           夕づる⑤ 
           一歩入ると・・・

日本間に入って、メニューの中から「もりそば」(500円=税別)を選んだ。挽きくるみの二八そば。さらに村長は「ぜんざい」(500円)の文字を見つけた。前回はうかつにも気が付かなかった。女将に聞くと、小豆ではなく「栗あんのぜんざいです」とか。9月に小布施に行った時に「栗あんぜんざい」を食べたが、それは餅入りだった。ここはそばがき入り。極めて珍しいメニューで、それがさり気なくあることが気に入った。それを追加で頼む。
           夕づる③ 
          まずはもり
           夕づる④ 
           ここは信州である

しばし待っていると、お茶、漬け物の順でやってきて、その後に本命の「もりそば」が登場。まず年季の入ったザルの器に目を見張った。「本物ね」と村民2号。その上に鎮座するもりそばはグレーがかった見事な細打ち。これだけ細く正確に打つにはかなりの腕前と修業が必要だろう。荒めの挽きくるみで、星が点々としている。口に含むと、そばの風味がほどよい。コシがしっかりしていて、出汁のよく効いたツユにくぐらせると、今いる場所が信州のような錯覚に陥る。
           夕づる⑥ 
           もりそばの登場
           夕づる⑦ 
           見事な細打ち二八そば
           つゆ  
           甘すぎず辛すぎず
           夕づる1 
           風味とのど越し

「これが500円とはちょっと驚き。天盛りはそう安くはないけど、もりそばは狙い目だわ。さり気ないところにこだわりが見えるのも好感。こんなそば屋さんを今まで知らなかったとは・・・村長の情報収集力も大したことないわね」

「ま、そう言わずに。栗あんのぜんざいはどう? これだけ素朴な風味と味わいはそうはない。そばがきはボソッとしていて、原そばがきって感じ。小布施の竹風堂で食べたぜんざいより栗の風味が実に素朴だ。ボリュームもあるし、こっちの方が好みだよ」
           夕づる5 
           珍しい栗のぜんざい
           夕づる3 
           素朴なそばがき入り

「竹風堂が怒るわよ。でもいい店を見つけたって感じ。そこだけは村長に感謝するわ」
「ツルの恩返し・・・」
「何それ。笑えない」
「・・・・・・」


本日の大金言。

メディアと食べログの世界がすべてだと思っていると、本物を見落とすかもしれない。どうやって名店を探すか、そこが問題だが。









                         夕づる7 






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赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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