超レア「かのこな豆大福」

 「銀座にすぐ売り切れちゃう豆大福があるんだよ。銀座のホステスに持ってくと喜ばれてね。モテる小道具として利用させてもらったよ」
ある出版社のOBがこう言って、意味ありげに目尻を下げた。それが銀座すずらん通り「鹿乃子」の豆大福だった。

銀座「鹿乃子」は終戦直後の昭和21年に創業、かのこ専門の和菓子屋として評判を呼んだ。今では2階の甘味処であんみつを食べ、「花かのこ」や「豆大福」を手土産にする客も多い。
           鹿の子② 
           銀座の昼と夜の名物

村長は銀座に出たついでに、「鹿乃子」に立ち寄ってみた。時間が正午前だったので、「豆大福」はまだ店頭に残っていた。護国寺の群林堂や原宿瑞穂のような豆大福ではない。一個一個パッケージされていて、外側からは赤えんどう豆の姿は見えない。これが豆大福?という印象。それを一箱4個入り(1個180円、税込み777円)を買い求めた。
           鹿の子① 
           あった、あった

賞味期限は「本日中」なので、その夜、ウマズイめんくい村に持ち帰って、賞味することにした。パッケージから取り出すと、中ぶりの大きさ。個人的な好みで言うと、豆大福はパッケージしてほしくない。豆大福に衣装はいらない、と思う。だが、この豆大福には不思議な気品がある。

でん粉が多めにかかっていて、手に取ると、ずっしりしている。赤えんどう豆はどこにあるのだろう、そう思いながら、二つに割ると、外側の餅の中に、赤えんどう豆とピュアなつぶしあんが目に飛び込んできた。よく見ると、赤えんどう豆がつぶしあんの周りを囲むように配置されている。そのぎっしり感。むむむ・・・かような豆大福は見たことがない。
           鹿の子④ 
      1個1個パッケージされている
           鹿の子⑤ 
       あれっ、赤えんどう豆の姿がない?

これはひょっとして、かのこを餅で包んだ珍しい形の生菓子ではないか? さすが「鹿乃子」の豆大福。感心しながらひと口。餅は求肥のように透明感があり極めて柔らかく、杵つき餅とは少し違う。それは好みの別れるところだが、中のあんこがとてもいい。つぶしあんは甘さをかなり抑えていて、さらしあんのようでもある。ふっくらと炊かれた赤えんどう豆はほんのりと塩気があり、風味がふわりと立ち上がってくる。その食感と風味が絶妙で、人気の秘密がわかった。口中鹿乃子のサーカス!
           鹿の子⑥ 
           お隠れになってたのね
           鹿の子⑦ 
         赤えんどう豆とつぶしあん!
           鹿の子⑨ 
           珍しい同居生活

餅があまりに柔らかいので、少々時間を置いても固くはならないのでは? そう思って、半日後の翌朝、残りの2個を食べることにした。これが村長にとっては当たりだった。意外や旨みが増していた。餅は少々固くなっていたが、それがほどよい固さで、まだ十分に柔らかい。中のあんこもしっとり感がなじんでいた。赤えんどう豆もしっとり感が増し、さらにいい味わいになっていた。半日後の美味。
           鹿の子① 
           半日後の奇跡?
           鹿の子② 
           絶妙な味わい

「村長はヘンよ。賞味期限の本日中に食べた方が美味いに決まってる。私は昨日の方が美味かったわ」
と村民2号。半日後の美味というのもある。これはわかる人にしかわからない・・・ふっふっふ。


本日の大金言。

かのこ(鹿の子)は江戸時代中期に登場して、全国に広がっていったようだ。和菓子の中でも小豆の風味を最も感じさせるもので、ファンも多い。





                         鹿の子10 

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プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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