ジョン・レノンが食べたアップルパイ

 もうすぐ12月8日。紅葉を見ながらジョン・レノンが愛したアップルパイを食べに箱根に足を伸ばすことにした。今年5月に箱根に行った時には、不覚にもジョンがアップルパイ好きだったことを知らなかった。ましてや富士屋ホテルでアップルパイを食べていたなんて・・・。
              ジョン・レノン②     36年前のジョンとヨーコ手前はショーン=嶋写真館)

スウェーデンから帰国中の瘋癲北欧先生からその話を聞いて、村長は大いに後悔の念に駆られた。村長は渓流斎さんや北欧先生のようなフリークではないが、心のどこかにいつもジョンがいる。ジョンは軽井沢万平ホテルのアップルパイも愛していて、ヨーコや幼いショーンと一緒によく食べていたともいう。時空を飛ぶアップルパイ。これは行かずばなるまい。 

箱根・宮ノ下にある富士屋ホテルに着いたのは午後2時を回っていた。ジョンはいつもその1階にある「オーキッドラウンジ」の壁から3番目の席に座って、アップルパイと紅茶を楽しんでいたという。だが、ホテルは凄い混みようで、「少しお待ちいただきますが」「どのくらい?」「あるいは1時間半から2時間くらいになるかもしれません」ウエイターとそんな会話を交わす。むむむ。ホテル内を見学しながら、フロアのソファで待つことにした。
           富士屋ホテル② 
           オーキッドラウンジ(箱根富士屋ホテル)

約1時間ほどで名前を呼ばれた。ツイテル? 3番目ではなく、7番目の席に案内された。テーブルと椅子が素晴らしい。ガラスの向こうに見事な庭園の紅葉が見える。辛口の村民2号も「さすが明治11年(1878年)創業、日本有数の老舗ホテルだけのことはあるわ」と感心しきり。スタッフの対応もケチのつけようがない。村長も次第に「ハード・デイズ・ナイト」から解放されてくる・・・。
           富士屋ホテル2 
           窓から見事な紅葉
           冨士屋ホテル② 
           ジョンも見た?メニュー

「アップルパイと紅茶」のセット(1530円=税込み)を頼んだ。アップルパイは温と冷が選べる。村長は温を選んだ。村民2号も温でコーヒーのセット。安くはないが、この出費は納得済み。15分ほど待っていると、白磁のティーポットに入った紅茶、白磁の皿に乗ったアップルパイがやってきた。そのシンプルな姿に圧倒された。デカい。厚さは5センチくらいはある。フツーのアップルパイの2倍くらいありそう。
           アップルパイ 
           ついにアップルパイ!
           富士屋ホテル⑤  
           この圧倒

「ハーブとか生クリームとか何にも付いていないわ。よほど自信があるのね」
村民2号が目を丸くしながら、ポツリ。
「そりゃあ、明治時代から同じ作り方をしているんだからな。時流に流されないアップルパイなんてあまりない」
村長が付け焼刃のセリフを吐く。

ナイフとフォークで切り込みを入れ、まずはひと口。甘さはかなり抑えられていて、半透明のリンゴの甘みと酸味、それにバターの風味の効いたパイ生地が口中で混じり合う。シナモンの香りがかすかに漂う。柔らかく蜜煮したリンゴはひとかけらが大きめで、それがぎっしりと詰まっている。あまりに素朴であまりに自然な美味。添加物の気配はない。
           富士屋ホテル⑥ 
           悲しい別れ
           富士屋ホテル⑦ 
           美味の伝統 
           富士屋ホテル⑨ 
           言葉はいらない

「このリンゴはどこのリンゴ?」
ウエイトレスに聞いてみた。「スター・リンゴです」というダジャレを期待したが、甘かった。
「青森の紅玉です。それを1個分使っているんですよ」
さり気なくかわされる・・・。

「恥ずかしいわ。ジョンが天国でまたバカが1匹来たぞって笑ってるわよ」
丸ごと1個ぺろりと平らげた村民2号が、満足そうにコーヒーを飲んでいる。オノ・ヨーコはアップルパイを食べているのか、気になった。


本日の大金言。

ジョンはスイーツ好きで、ソフトクリームやアイスクリームもよく食べたようだ。12月8日はジョンの34回目の命日。世界はジョンの願いとは反対にどんどんきな臭くなっている。もう一度、イマジンを聴くことにしよう。



                        富士屋ホテル10 

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プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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