幻の豚のポークジンジャー

 今回は箱根・湯本で見つけた高座豚のポークジンジャーについて。「画廊喫茶ユトリロ」で昼飯を食べようと、湯本駅からトボトボ歩いていると、ユトリロは満杯だった。仕方なく、その先を見たら、「浅乃(あさの)」という喫茶店が見えた。ユトリロほど個性がない、どこかのんびりとした古い喫茶店。だが、その店先に「手づくりハンバーグ」と「高座豚を使用 ポークジンジャー」という手書きの黒板が見えた。
           浅乃① 
           期待せずに・・・(箱根湯本「浅乃」)
           浅乃 
           高座豚だって?

ユトリロがどこか高ビーならこちらは庶民的で、中から気さくなオバサンが出てきそうだった。高座豚は地元のブランド豚で、「幻の豚」と言われたもの。市場に出回ることも少ない。その肉質には柔らかくきめ細かいという。脂身の質が高いことも知られている。これは入るっきゃない。

店内に入ると、意外に広く、ベージュの壁には花の絵が飾ってあり、茶色いソファのテーブルが4つと10人ほど座れそうな席が一つ。奥が小さなカウンター席になっていて、厨房がその奥にあるようだった。想像通り、おばさんが3人で切り盛りしていた。
           浅乃② 
           箱根価格?

村長は、その幻の高座豚を使った「ポークジンジャー」(ライス、お新香、スープ付き 1100円)を頼んだ。牛肉好きの村民2号は一日15食限定だという和牛の「手づくりハンバーグ」(同 1150円)を注文した。待つこと15分ほどで、大根の浅漬けとコンソメスープが登場、続いて鉄板に乗ったポークジンジャーがジュウジュウといい匂いを立ててやってきた。ハンバーグも続いて登場。
           浅乃③ 
        高座豚のポークジンジャー登場
           浅乃⑥ 
           こちらは和牛のハンバーグ

大根の浅漬けがさっぱりとした旨さで、おばさんコックの腕が確かなことが見て取れた。ポークジンジャーはロース肉の大きい切り身が3枚、ドヤ顔で乗っかっていた。醤油ベースの自家製タレがかかっていて、その下に炒めたもやしとキャベツ、たまねぎがどっさりと敷かれていた。湯がきしたブロッコリーも2個。一見ごくフツーのように見えるが、ていねいな作り方で、これは当たりかも、と直感した。
          浅乃2 
         漬け物に感心
          浅乃④ 
          柔らかな豊饒

高座豚のロース肉は実に柔らかく旨みが凝縮しているようだった。真っ白い脂身のきれいな甘み。「確かにこれはひと味違うな」という奥行きの深い味わいだった。炊き立てのライスも旨い。上質な家庭の味。村民2号も手づくりハンバーグに舌鼓を打っていた。ライスが少ないのが少々残念だが、「お代わり、できますよ」とおばさん。それもクリア。ミカンを2個、「これ、よかったら」とサービスしてくれたり。
          浅乃⑦ 
          幻ではない
          浅乃⑨ 
          旨味がひと味違った
          浅乃10 
          野菜の美味

「意外と言っては失礼だけど、旨いですねえ」
村長が言うと、
「まあヒマですから、手間ひまかけて作ってるんですよ。醤油タレですか? これはちょっと自信があるんです。店を始めて16年ですけど、継ぎ足し継ぎ足しで寝かせているものなんですよ。だから、旨味が出てくるんだと思います」
おばさんが気さくに応じる。のどかな箱根の時間。ついついコーヒー(550円)まで追加注文してしまった。予算オーバー。
           コーヒー 
         コーヒーまで頼むことに・・・

「結果的にユトリロに行かなくてよかったわ。コーヒーもサイフォン式で、美味かった。くじ引きで当たった気分だわ」
「絶望の隣に希望があるってことか?」
「オーバーねえ。これで夕食はアルコール抜き。コーヒー代分、取り戻さなきゃ」
「まさか・・・・」
「希望の隣に絶望が潜んでいるってこともあるのよ」
「・・・・・・」


本日の大金言。

人生もB級グルメもは双六(すごろく)かもしれない。行ったり来たり。悪いことだけが続くわけではない。


                       浅乃11 







スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

最新記事
カテゴリ
彦作のつぶやき
最新コメント
月別アーカイブ
カレンダー
10 | 2017/11 | 12
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 - -
最新トラックバック
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR