築地で見つけた「あんみつの傑作」

 日本プレスセンターで行われたメディア仲間との忘年会に出席するために、築地で降りることにした。時間が1時間ほどあったので、ぶらぶら歩いて銀座を抜けて内幸町まで歩いて行こうという算段である。エンターテインメント新聞社が築地にあったころ、よく歩いた懐かしいコース。すでに辺りはすっぽり夕闇。

村長がこれまで食べた中で最高の串ダンゴだと思う「福市だんご」(すでに閉店)の前でしばし立ち止まる。そこからあんぱんの木村家、宮川食鳥鶏肉店・・・いい店が多い。ふと、路地に入ってみた。昔のことが走馬灯のように頭の中を回る。いかんいかん、センチメンタルジャーニーは早すぎる。昔より今、でしょ。と、そこに「今」の灯りが見えた。
           天まめ 
        築地の路地裏に・・・(甘味処「天まめ」)

「天まめ」という小さな甘味屋だった。カフェのようなシャレた店構えで、昔はなかった店だった。入り口にメニューがあり、覗いてみると、自家製の生寒天と豆が売りの店のようだ。天草から寒天を作る店は極めて少ない。それだけでかなりのこだわりの店であることがわかる。PM5時半すぎ。「てんまめ」(780円=税込み)が美味そうだった。考えることはない。飛び込むことにした。
           天まめ② 
           これは一つの発見
  
4席ほどのカウンター席と2人しか座れない小さなテーブルのみ。母娘らしい二人が切り盛りしていた。カウンター席に腰を下ろして、「てんまめ」を頼むことにした。どう見てもあんみつだが、ここでは「てんまめ」と命名しているようだ。店は去年の8月にオープンしたそうで、「まだ1年半です」と感じのいい娘さん。「天まめ」は元々の屋号で、お母さんが天草から寒天を作っていたそう。
           天まめ③ 
           前菜?のなます

5~6分ほどで、前菜(?)が出てきた。これは珍しいスタイル。ピーナッツで合えた甘酢のなますで、これが意外に旨い。目の前で「てんまめ」づくり。大きめの陶器の器に盛られた「てんまめ」がスッと出された。ひと目で只者ではないことがわかった。中央につぶしあん、その周りに白インゲン豆、黒豆が配置されていた。赤えんどう豆の姿も。極めて自然な色合い。求肥(ぎゅうひ)や果物類はない。
           天まめ⑤ 
           「てんまめ」登場
           天まめ⑥ 
           どないどす?

その下にかなり大きめに切り分けられた生寒天の海。黒蜜をかけずにまずは生寒天を賞味。神津島産の天草から作ったというそれは、やや固めできりっとした歯ごたえ。それが絶妙で、噛んだ瞬間、海の香りが口中に広がった。うむむ。
           天まめ⑦ 
           うむむむ

白インゲンと赤えんどうは北海道産。黒豆は滋賀県近江産のもの。「黒豆は丹波産にしたかったんですけど、高くて、近江産にしました」とか。煮方もいいのだろう、柔らかすぎず固すぎず、ふっくらと炊かれている。甘みもかなり抑えている。その加減が上質である。赤えんどうは固めで塩気がやや強め。
           天まめ⑨ 
           つぶしあんの美味
           天まめ10 
           黒蜜をかける

つぶしあんも北海道産小豆を使い、三温糖でじっくり炊いているそう。穏やかで控えめの甘さ、風味ともにとてもいい。特筆したいのは黒蜜。沖縄・波照間産の黒糖を使って、奥深いコクと甘みを出している。普通のあんみつの1.5倍くらいのボリュームがあり、食べ終わると、大いなる満足感に襲われてしまった。こういう新しい甘味屋が出てきたことを祝福したい気持ちになった。
           天まめ11 
           すべてが上質

その後の忘年会も実に楽しいものとなった。気の置けない仲間なので、丁々発止、手裏剣が飛び交い、吹き矢が刺さり、意外な話、危ない話のてんこ盛り。ここに書けないのが残念だが、某大物俳優の病名の真相など、うめ・・・おっと危ない危ない。ギリギリ終電に間に合ったのだった。

本日の大金言。

古さと新しさ。それは単純に分けることはできない。古いものの中から新しさが出てくることだってある。新しい職人「天まめ」もその延長線上に位置していると思う。


                      天まめ13 


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いい店の条件

いいあんみつ屋を見つけましたね。テングサから寒天を作るのは作業が大変で、ほとんどの甘味屋は出来合いでごまかしてる。確か門前仲町の「いり江」もテングサから作っていると思う。上野の「みはし」は不明。角寒天でも十分にうまいが、どこにこだわるかでその店の職人的な真摯さが問われると思う。要はまじめにやること。これに尽きる。
プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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