築地の穴場でムフフの「カキフライ」

 エンターテインメント新聞社時代の友人夫妻と築地へ行ってきた。年末の築地買い出しはウマズイめんくい村の恒例行事。このところ築地は観光化され過ぎて、場内も場外もメディアに取り上げられた店は大行列。年末とあって、それがさらにエスカレート、犬一匹入り込む隙がない場所もある。特に有名な寿司屋、海鮮どんぶり屋などは要注意。高い上に1時間以上待たされることを覚悟で行くべき。
           築地場内 
       場内市場は大行列(午前11時20分)

村長はもちろん見学はするものの、そんな店には行かない。混雑する場内の6号館、8号館周辺をひと通り見た後、抜け道を通って、晴海通りに出る。そこから勝鬨橋方面へ。目的の店は築地場外のはずれ、誰も行かないような路地裏にある。知る人ぞ知る「多け乃食堂」である。時刻は午前11時40分。
           多けの1 
           喧騒を離れ、穴場へ

入り口には行列などない。ビールケースが積まれ、魚が入っていた空のケースが雑然と置かれている。これぞ、昔ながらの築地の食堂! 紺地の暖簾をくぐると、そこは天国だった。5席ほどのカウンター、4人座れるテーブルが3つ。2階もある。狭いながらも楽しい築地。驚くのは壁に張られたメニューの多さ。ざっと見ただけで100ぐらいはありそう。そのほとんどに値段が書かれていない。
           多け乃①  
         知る人ぞ知る「多け乃食堂」
           多け乃② 
          これぞ築地の市場食堂

創業は昭和10年(1935年)。築地市場が開設されると同時に店を開いているという由緒正しさ。こういう店がちゃんとあることを知らない人が多いことは悲しい。いや、その方がありがたいが・・・。カウンターの奥が板場になっていて、そこで男性スタッフが3人、女性が2人、さらにもう一人女性が忙しそうに注文取りと運びを担当している。
           多け乃③ 
           値段の妥当性

ウマズイめんくい村の一行4人は、テーブルに腰を下ろしてから、まずは瓶ビールを注文、それからランチメニューを見た。村長は「カキフライ定食」(みそ汁、ライス付 1080円)、村民2号は「おひとり用刺身定食」(同1250円)を選んだ。友人夫妻もほぼ同じメニュー。このカキフライが絶品だった。
           多け乃④ 
           カキフライ定食!

注文してから揚げるので、15分ほど待たされたが、千切りのキャベツとともに皿に盛られたカキフライはかなりデカい。普通のカキフライの優に2倍はある。それが4個。コロモがしっかりと付いていて、見るからに横綱級の迫力。マスタードを付け、ソースをかけてから、ガブリと行く。全員声もない。
           多け乃⑤ 
           見事なコロモ

厚めのコロモがガサッと崩れ落ち、その心地よい歯触りの奥から、濃厚な海の凝縮と香りが口中に広がった。ほとばしる旨味。美女が崩れる瞬間・・・予想をひと回り超える美味だった。
           多け乃⑥
           ソースか醤油か
           多け乃⑦ 
           美味の予感
           多け乃⑨ 
           1個に3個とは・・・

よく見ると、1個の中に小ぶりの牡蠣(かき)が3個ほど入っていた。今が旬の三陸産の生ガキのようだ。広島産のものよりも小さいが、濃密な味わいが特徴。海のミルクという言葉が脳内で羽ばたき、幸せのエンドルフィンが滲出してきた。それをビールで流す。その繰り返し。

アサリの味噌汁も絶妙だし、刺身も文句のつけようがないわ。こういう店が市場の喧騒から離れた場所にあるなんて驚きだわ」
辛口の村民2号が明るく言う。
           おひとり用刺身定食 
    平目、石鯛、マグロの鮮度(おひとり用刺身定食)
           多け乃12 
           あさりの味噌汁

『豊ちゃん』のカキフライが一番だと思ってたけど、そうではないことがわかった。いい店に連れて来てもらったよ」
友人夫妻が言う。

「豊ちゃんは経営が変わったようだよ。メディアに出過ぎる行列店より、本当にいい店は表通りの裏にあるということかもね、ムフフフ・・・」
村長がしたり顔で言う。

「たまに当たったからって、エラソーに言うと、勝鬨橋から落っこちるわよ」
店を出た後、村民2号が村長の脇腹を突きながらささやいた。ムフフの後のトホホ・・・。


本日の大金言。

築地市場の移転でこのあたりがどうなるか、心配だ。ビル化され、街並みは変わってしまうかもしれない。壊して新しくすればいいというものではない。



                        多け乃13 

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プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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