逸ノ城みたいな煮干しラーメン

 埼玉・鴻巣市吹上町で「須田剋太展」を観た後、ウマズイめんくい村の怪しい一行は、行田市さきたま古墳群方面へと向かった。目的は古墳ではない。煮干しラーメンである。B級シンジケートからの情報で、県道77号線沿いに「絶品の煮干しラーメンがある。心して食べるように」という指令が下っていたからだ。
           須田刻太展 
           「須田剋太展」へ(埼玉・鴻巣市)

その「らーめん どんぐり」はすぐにわかった。「極上煮干しスープ」と書かれた赤いノボリが寒風にはためいていた。オープンしたのは約5年前。東京・永福町系大勝軒の流れを汲む「大海軒」で修業してから、この地に旗を立てたようだ。午後12時30分。4人ほどが店の外のベンチで順番を待っていた。埼玉でも人気店にのし上がってきていることがわかった。
           どんぐり① 
       煮干しラーメンの人気店(行田市埼玉)

それほど待たずに、店内に入ると、右手にカウンター席が6つ、左手に4人用テーブル席が2つ、2人用テーブル席が2つ。カウンターの対面が広めの厨房になっていて、職人的な店主が手際よくラーメン作りに励んでいた。多分夫婦なのだろう女将、それにバイトの若い女性が二人。開放的な明るさの中で、煮干しのいい匂いが鼻腔に流れてきた。うむ。悪くない。
           どんぐり12  
          メニューはシンプル

メニューは多くない。いい傾向。村長は「ワンタンめん(210グラム) 850円)、村民2号は「らーめん(280グラム) 750円」を頼むことにした。「小」(140グラム)も同じ値段というのがいささか腑に落ちない。この選択が村民2号にとっては後悔のタネになったが・・・。
           どんぐり③ 
           横綱級の圧倒

7~8分ほどでいい匂いとともに白い陶器のドでかいドンブリがやってきた。永福町系の特徴でもあるドンブリに村民2号が感動している。「まるで大相撲の逸ノ城みたい。量も凄いボリューム、うまそー」。よく考えたら、ラーメンは麺の量はおおむね1杯150グラムくらいだから、ここは2倍近い。気づくのが少々遅かった。
           どんぐり⑤ 
           期待が膨らむ

「ワンタンめん」は透き通った醤油スープ、小さ目のチャーシュー、完熟ゆで卵、細めのメンマが10本ほど。見事なのは中細縮れ麺。中央に腹を出すようにきれいにレイアウトされていた。隅にはワンタンが7~8個ほど、醤油スープに旨そうに浮かんでいる。店主のこだわりが見て取れた。
           どんぐり⑦ 
           極上煮干しスープ
           どんぐり⑥ 
           中細縮れ麺

村長はまず「極上」と称する煮干し醤油スープをレンゲでひとすくい。脂がキラキラ浮いている。ラードの匂いと煮干しの匂いが同時に舌と鼻腔に絡みついてきた。薄味とも思えるほど意外にやさしいこってりした旨み。店主が自信を持つだけのことはある。麺は黄色みの強い中細縮れ麺で、丸富製麺の特注麵。コシはほどほど。村長はもう少し固めが好み。ひと口二口食べ進むうちに、なぜか「チキンラーメン」を思い出した。鶏ガラも入っているのだろうか? 
           どんぐり⑨ 
           ワンタンの美味
           どんぐり⑧ 
           チャーシュー

チャーシューは固めで特筆するレベルは感じない。メンマもまずまず、ゆで卵は昭和40年代のゆで卵。全体の印象は、見た目も最初のアタックも悪くない。ワンタンは具が少なめだが、つるっとしていてそれなりに旨い。むしろ、見事な見た目。だが、と村長は思った。期待したほどの感動が来ない。むろん好みの問題だが、村長には中途半端なスケールのデカさと煮干しと背脂の余韻が残った。
           どんぐり10 
           懐かしいゆで卵
            
140グラムにすればよかったわ。最初は旨かったけど、途中でギブアップ。選択肢が2つしかないのが残念。せめて170グラムくらいの設定も欲しいわね」
「煮干し系ではやはり東京・赤羽の『麵屋 伊藤』の方が村長の好みだな。ここはがっつり食べたい若い人向きということだな」

「須田剋太の油絵がよかっただけにこの胃もたれ感が計算外。やっぱり140グラムの小にすればよかったわ。頑張って4分の3まで食べたのが敗因」
「欲張りすぎた罰だよ。逸ノ城より遠藤だよ。たまにはこういう結末もいいね。ハハハ」
「村長にだけは言われたくないわ。どんぐりの背比べよ」
「・・・・・・」

本日の大金言。

身の程を知る。足るを知る。頭ではわかっていても、欲望は簡単に制御できない。ラーメンにおいておや。



                        どんぐり11 


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プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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