ガード下の懐かし味噌ラーメン

 東京・上野駅から御徒町にかけてのガード下は、有楽町ガード下とは違う味わいがある。アメ横を抜け、新しくなった吉池を横目にブラ歩きしていると、「味噌らーめん」の幟(のぼり)が見えた。札幌味噌ラーメンの老舗「えぞ菊」だった。今でこそ札幌系味噌ラーメンの旨い店が増えたが、ここは昭和43年(1968年)創業の、東京における札幌味噌ラーメンの元祖みたいな店。
           えぞ菊1 
           御徒町ガード下の昭和

かつては都内各地に店舗があり、ハワイ・ワイキキにも進出したこともある。今では高田馬場本店も約2年半前に閉鎖し、御徒町店を入れて3店舗にまで縮少してしまった。ラードを使い、濃厚でこってりした純連系の味噌ラーメンとは一線を画したさっぱり系の味噌ラーメン。胃にも優しい、昭和の味噌ラーメンの味わいをこよなく愛するファンも多い。
           味噌ラーメン 
           札幌味噌ラーメンの老舗
           えぞ菊① 
           変わらない世界

午後3時を過ぎていたが、村長はふらりと入りたくなった。オレンジ色のL字型カウンターが懐かしい。男性スタッフが二人。一人は中華鍋を操り、もう一人は仕込みの最中だった。ラジオからは演歌が流れていた。素朴でけだるく、牧歌的な世界。券売機などはない。うむ。定番の「味噌ラーメン」(800円)を頼んだ。
                      
炎が上がる中華鍋で玉ネギ、大量のモヤシを炒め、豚足、鶏ガラ、野菜ベースのス-プを加える。秘伝の味噌ダレを入れたドンブリにスープを注ぐ。そこに平ザルで湯切りした麺を入れ、最後に炒めたモヤシ類を乗せる。メンマも多めに置き、ワカメを置き、最後にチャーシューを乗せて完成。山のようなモヤシ・・・いい匂いが立ち上がってくる。懐かしい光景
           えぞ菊③ 
           いい雰囲気

金属のレンゲでまずはスープをひと口。純連系のこってり味噌味に慣れた舌には物足りないかもしれない。だが、自然な味噌味はどこかホッとする。味噌は3種類のブレンドと隠し味で、昭和43年当時のままだそう。そういえば昔の札幌味噌ラーメンはこんな感じだった。濃厚で脂ギトギトがエスカレートし、いつの間にかそのジャンクっぽい味に慣れてしまったことに改めて思い至る。
           えぞ菊④ 
           これぞ札幌味噌ラーメン?
           えぞ菊⑤ 
           上空より
           えぞ菊⑧ 
           素朴なスープ

麺は黄色みが強い中太縮れ麺で、コシはほどほど。村長はもう少しコシがあった方が好みだが、これはこれで悪くはない。チャーシューは一見大きいが、薄くて固め。昨今の人気店のチャーシューと比べると見劣りする。多めのメンマはマル。大量のモヤシ、少量のタマネギ、少量の挽き肉、刻みネギ、ワカメ・・・すべてが昭和の正統派札幌味噌ラーメン
           えぞ菊⑨ 
           中太縮れ麺
           えぞ菊⑦ 
           モヤシの存在感
           えぞ菊⑥ 
           チャーシューは薄い
           えぞ菊11 
           辛味噌を入れてみる

辛味噌を加えてみた。味がきりっとした。それでも今どきの味噌ラーメンよりもやさしい味わい。ここからもう一度再スタートを切れないものか? 人気店のラード、背脂、魚粉・・・それを否定するつもりはないが、カロリー過多と健康への影響については気になる。「えぞ菊」の味噌ラーメンの希少価値を改めて思う。せめて今残っている3店は生き残って欲しい。村長は舌に残る遠い余韻とともに御徒町のガード下を後にするのだった。夕暮れまではまだ間がある・・・。

本日の大金言。

東京の札幌味噌ラーメンに記憶遺産があるとしたら、「えぞ菊」かもしれない。どこか隙のある応対もそう悪くはない。昭和は遠くない。



                       えぞ菊13 


 
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赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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