久しぶりに「焼き豚界の最高峰」

 宮仕え時代に当時の上司から佃島に絶品のチャーシューがあるよ。T社長から教えられてね。ホントに旨かった。キミもいっぺん行ってみたらどうだい?」というのが、今や佃名物ともなった「肉のたかさご」の「やき豚」だった。会社から歩いて15分ほどの距離。東京湾からの潮風をモロに受けながら相生橋を渡ると、右手に「肉のたかさご」の派手な看板が見えてきた。
           肉のたかさご 
           久しぶり!「肉のたかさご」

ドヒャーとひっくり返りたくなるほどの見事な焼き豚だった。世の中にこんなに旨いものがあるのか、オーバーではなく感動した。絶妙な柔らかさとふくよかさ。創業が昭和22年(1947年)、「秘伝のタレは継ぎ足し」と聞いた。以来、事あるごとに「肉のたかさご」に行っては出来上がったばかりの焼き豚を一本買うのが楽しみとなった。汐留のD社の幹部に手土産にしたところ、後日「あんな旨いチャーシュー初めてですよ」と喜ばれたこともある。

そのうちにテレビや雑誌などメディアに登場し始め、一躍行列のできる店になった。それをきっかけにして、徐々に遠ざかって行った。先日、茅場町に行ったついで「たかさご名物 やき豚」を賞味したくなった。約6年ぶりの「肉のたかさご」。店構えはほとんど変わっていなかったが、客がまばらだった。
           肉のたかさご① 
           いい匂いが漂ってくる

真空パックも昔より多く並んでいたが、出来上がったばかりの「やき豚」を1本(715グラム 3718円)選んだ。以前と同じ見事な焼き豚で、100グラム当たり520円。安くはない。「脂身の多いものと少ないもの」があり、村長は「多い方」にした。
           肉のたかさご② 
           これこれ
           肉のたかさご③ 
           見事なやき豚

ウマズイめんくい村に持ち帰って、たまたま友人からもらった「新政」の限定酒を熱燗にして、久しぶりにリッチな晩餐会となった。タコ糸を外してから包丁を入れ、5~6枚ほど厚めに切る。ここで違和感が芽生えた。寒さのせいなのか、肉の色が以前のような肉汁溢れる感じが見られない。脂身もどこか素っ気ない。うむ。
           たかさご① 
           お元気ですか?
           たかさご④ 
           この重量感
           たかさご⑥ 
           厚めに切る
           たかさご⑨ 
           タレをかける

特製ダレ(これは以前と同じだった)を付けて口中に運ぶ。旨いには旨いが、以前のような感動が来ない。赤身も脂身もあの驚くほどの深みのある肉汁と甘さが感じられない。村長の舌が変わってしまったのか? 「十分に旨いわよ。村長の舌がぜい沢になっただけよ」村民2号は旨そうに食べている。
           肉のたかさご2 
           オーブンで温めてみた
           肉のたかさご3 
           フツーに旨いが・・・

アルミホイルに包んでオーブンで温めて見た。だが、やはり以前の感動は来ない。翌日、電話してみた。
「昔と作り方を変えました?」
「いえ、同じ作り方ですよ」
「肉は鹿児島産の黒豚でしたよね」
「いえ、今はメキシコ産ですよ。その時一番いい豚肉を使ってるんですよ。昔から同じですよ」
村長はキツネにつままれたような気分に陥った。「チャーシュー界の最高峰」が霧に包まれていくようだった。

本日の大金言。

舌は変化する。あるいは店が変化する。ゆく川の流れは・・・方丈記の一節がベンベンと鳴る。



                        たかさご13 

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プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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