「若冲と蕪村」後のペペロンうどん

 久しぶりに東京・六本木へ。サントリー美術館で開催中の「若冲と蕪村」展を観るためである。京都にお住いのグルメ先生お勧めの美術展。生誕300年、同時期に才能を競い合った二人の天才絵師の、凝縮された世界がわかりやすい構成で配置されていた。若冲(じゃくちゅう)の異様な才能と蕪村(ぶそん)のユーモアに心が洗われる。
            サントリー美術館 
        同い年の天才「若冲と蕪村」展

その後、ランチを久しぶりに近くの「おつな寿司」で、と思ったが、ビルを改築中だった。仕方なくあっちこっちとセンサーをフル動員して、旨い隠れた店を探し回った。ふとミッドタウン前の信号を左手の路地に入ってみた。「美味いうどん あり〼」という立て看板。創作うどんの店だった。
           ぶんぶく釜屋① 
           うーむ

「もうお腹がぺこぺこ。ここ、いいんじゃないかしら?」
とゲッソリ気味の村民2号。時計を見たら、午後2時。30分以上、歩き回ったことになる。モダンな雰囲気がハズレの予感もある。「熟成自家製麺 ぶんぶく釜屋」という店名で、「カルボナーラうどん」などというメニューもある。大丈夫か?
           ぶんぶく釜屋 
           ぶんぶく釜屋

店内はモダンな和の世界で、去年11月にオープンしたばかりとか。テーブル席に案内され、メニューの中から、「本からすみと釜揚げしらすのペペロンうどん」(税込み900円)を選んだ。村民2号は「海老とほうれん草の香味うどん」(同850円)。
           ぶんぶく釜屋② 
           アリかも

ペペロンチーノのうどん版だろう。ポンギならではの創作料理の世界かもしれない。「注文してから茹で上げるために20分ほどかかります」と女性スタッフ。うむ。うどんは北海道産の小麦粉100%とか。出汁も鰹の枯本節やあごなど5種類から取っていると明記してある。値段もベラボーではないし、「トイレもきれいよ」と村民2号の報告。ひょっとして、当たりかもしれない・・・。

驚きの登場だった。有田焼きの華やかで巨大な器に「本からすみと釜揚げしらすのペペロンうどん」が底の方に盛られていた。器があまりにデカいためにうどんが小盛りに見えるが、そうではない。普通のボリューム。水菜がどっさりと盛られ、その下には多めの釜揚げしらす、さらに熱々の手打ちうどんがどっかと控えていた。複雑でいい匂いが立ち上ってきた。炊き込みご飯の小鉢付き。
           ぶんぶく釜屋③ 
           目でも食べる?
           ぶんぶく釜屋④ 
           創作うどんの世界
           ぶんぶく釜屋⑧ 
           素材と工夫

うどんはさぬき風で、コシともっちり感が際立っていた。すりおろしたからすみとニンニクの香り、そこに釜揚げしらすが絶妙に絡んできた。タレは出汁の効いた塩味で悪くない。赤唐辛子のピリリとした辛さが、口中にいいアクセントをもたらした。これは発見かもしれない。
           ぶんぶく釜屋⑥ 
           うどんの美味
           ぶんぶく釜屋⑨ 
           炊き込みご飯

「期待しなかったけど、当たりだわ。こういう新しい流れが六本木にあるということ。古い店もいいけど、新しい職人の世界も認めなくっちゃね」
「すべてがよく研究されているなあ。計算だけでなく、職人の技もきちんとある。炊き込みご飯もフツーに美味。イタリア人がここに来たら、どんな顔をするか見たいよ」
「うどんもパスタも源流は同じだから、きっとボーノ!って言うわ」

「若冲さんや蕪村さんにも食べさせたかったなあ」
ペペロンうどんを食べる伊藤若冲・・・確かに見たいが、そんな空想をしたくなるポンギの昼下がりだった。

本日の大金言。

伝統から異端と創作の世界へ。絵画も料理もその中から新しい伝統が生まれる。天才がそれを可能にするのだが。




                        ぶんぶく釜屋10 
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プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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