犬も歩けば「アジフライの絶品」
埼玉・大宮は古くは氷川神社の門前町、江戸以降は中山道の宿場町、明治になると鉄道の街として栄え、東北・北越への玄関口としてある種のノスタルジックを感じさせる街である。東京から西が日本の中心の歴史なら、東の玄関でもある大宮にはどこかローカル都市の哀愁がある。その分、面白い。街も人生も表通りだけではない。
東口で降りて、高島屋裏手の先を横道に入ってみた。仲町2丁目と書いてある。犬の感覚であっちクンクンこっちクンクン、隠れたいい店はないかと探し始める。ちょうど正午過ぎ。ランチタイム、である。よさそうな店を数軒キャッチした。そのうちの一軒に心が動いた。高そうだが、店の佇まいがいい。「とんかつ割烹 山下軒」という看板。
犬も歩けば・・・
高そうだが・・・
古い洋食屋のようでもあり、和食の店のようでもある。地位の高そうなサラリーマンや女性客が出入りしていた。うむ。入り口に「ランチタイム定食」とあり、「とんかつ1000円」「メンチかつ800円」「ハヤシライス1100円」などなど。だが、村長の目は「あじフライ700円」のところで止まった。みそ汁、小鉢、ご飯付き。全然高くない。犬も歩けば隠れた美味に当たるか?
当たりかハズレか?
調べてみたら、創業が大正2年(1913年)という、大宮でも知る人ぞ知るかなりの老舗だった。店内は歴史を感じさせる造りで、常連客がこの店を愛している雰囲気が伝わってきた。右奥のカウンター席の向こうに白衣の板前がいて、カツを揚げるいい音が踊っていた。女将さんらしきご高齢の女性と2人の女性がテキパキと動いていた。
美味の予感
村長は座敷の空いたところに案内され、そこで「あじフライ定食」(700円、税込み)を頼んだ。タイムスリップして、よき料理屋に紛れ込んでしまった気分。12~3分ほどでいい匂いとともにお盆に乗った「あじフライ定食」がやってきた。あじフライは2枚。新鮮なキャベツを背に横たわっていた。シジミの味噌汁、昆布の佃煮、大根とキャベツの浅漬け、それに大きめの茶碗に炊きたてのご飯が大盛り・・・。
あじフライ定食、登場
サクサク感
脇役も手抜きがない
最初のシジミの味噌汁をすすった途端、その旨さに感心。あじフライはコロモの具合がとてもいい。噛んだ途端パン粉のサクサク感とそれに続くあじの旨みがジュワリと口中に広がった。あじの鮮度がストレートに伝わってきた。塩加減、かすかにしょうが汁、小麦の風味・・・。ソースをつけ、次に醤油を垂らし、食べ進むうちにこれは一級品のあじフライだと確信した。
まずはソース
次に醤油で・・・
絶品めっけ
「三州屋銀座店」や「京ばし松輪」「築地八千代」などあじフライの名店はあるが、それなりの値段を取る。ここは700円なり。これは一体どうしたことか、と思った。高くて旨いは当たり前、という言葉があるが、大宮の裏通りの老舗にはこの言葉は当たらない。昆布の佃煮とお新香も美味。すべてに古き良き暖簾の意地を感じた。大宮の底力を侮るな。
本日の大金言。
犬も歩かなければ、隠れた名店にも美味には当たらない。たまにはスマホを捨て、裏通りを、隅を歩こう。スマホよりスミ歩。
東口で降りて、高島屋裏手の先を横道に入ってみた。仲町2丁目と書いてある。犬の感覚であっちクンクンこっちクンクン、隠れたいい店はないかと探し始める。ちょうど正午過ぎ。ランチタイム、である。よさそうな店を数軒キャッチした。そのうちの一軒に心が動いた。高そうだが、店の佇まいがいい。「とんかつ割烹 山下軒」という看板。

犬も歩けば・・・

高そうだが・・・
古い洋食屋のようでもあり、和食の店のようでもある。地位の高そうなサラリーマンや女性客が出入りしていた。うむ。入り口に「ランチタイム定食」とあり、「とんかつ1000円」「メンチかつ800円」「ハヤシライス1100円」などなど。だが、村長の目は「あじフライ700円」のところで止まった。みそ汁、小鉢、ご飯付き。全然高くない。犬も歩けば隠れた美味に当たるか?

当たりかハズレか?
調べてみたら、創業が大正2年(1913年)という、大宮でも知る人ぞ知るかなりの老舗だった。店内は歴史を感じさせる造りで、常連客がこの店を愛している雰囲気が伝わってきた。右奥のカウンター席の向こうに白衣の板前がいて、カツを揚げるいい音が踊っていた。女将さんらしきご高齢の女性と2人の女性がテキパキと動いていた。

美味の予感
村長は座敷の空いたところに案内され、そこで「あじフライ定食」(700円、税込み)を頼んだ。タイムスリップして、よき料理屋に紛れ込んでしまった気分。12~3分ほどでいい匂いとともにお盆に乗った「あじフライ定食」がやってきた。あじフライは2枚。新鮮なキャベツを背に横たわっていた。シジミの味噌汁、昆布の佃煮、大根とキャベツの浅漬け、それに大きめの茶碗に炊きたてのご飯が大盛り・・・。

あじフライ定食、登場

サクサク感

脇役も手抜きがない
最初のシジミの味噌汁をすすった途端、その旨さに感心。あじフライはコロモの具合がとてもいい。噛んだ途端パン粉のサクサク感とそれに続くあじの旨みがジュワリと口中に広がった。あじの鮮度がストレートに伝わってきた。塩加減、かすかにしょうが汁、小麦の風味・・・。ソースをつけ、次に醤油を垂らし、食べ進むうちにこれは一級品のあじフライだと確信した。

まずはソース

次に醤油で・・・

絶品めっけ
「三州屋銀座店」や「京ばし松輪」「築地八千代」などあじフライの名店はあるが、それなりの値段を取る。ここは700円なり。これは一体どうしたことか、と思った。高くて旨いは当たり前、という言葉があるが、大宮の裏通りの老舗にはこの言葉は当たらない。昆布の佃煮とお新香も美味。すべてに古き良き暖簾の意地を感じた。大宮の底力を侮るな。
本日の大金言。
犬も歩かなければ、隠れた名店にも美味には当たらない。たまにはスマホを捨て、裏通りを、隅を歩こう。スマホよりスミ歩。

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