向島「言問団子のみそあん」

 東京・向島はエンターテインメント新聞社時代に年に数回通った場所。主に日が暮れてからで、作家先生の接待によく使った。そのとき料亭の女将がさり気なく手土産に用意してくれたのが、長命寺の桜餅と言問団子(だんご)、徳太楼のきんつばだった。長命寺の桜餅が一番多かったが、村長は一番少なかった言問団子が気になった。

今考えればインクレディブルな世界だったが、ふつう経験できない世界を経験したことは村長の隠れた財産にもなっている。猫に小判かもしれないが。その言問団子。串のないダンゴなんてダンゴといえるか? それが最初の印象だった。折詰に入った三色のダンゴは、品がよすぎて村長には物足りなかった。
           言問団子1 
           言問団子の店構え

浅草に出たついでに、夕暮れ時、向島までそぞろ歩き。少し前までは花見客でごった返していた隅田公園たもとに「言問団子」がある。格式を感じさせる店構えで、白地の暖簾が江戸である。ふとのぞいてみると、「召上り1人前 630円」の文字が見えた。こしあん、しろあん、みそあんの三種類、それにお茶付き。入るっきゃない。
           言問団子① 
           入るっきゃない

平日の夕暮れ時だったせいか、中で食べている客は一組のみ。よく磨かれた木製のテーブル席で「召上り1人前」(税込み630円)を頼んだ。江戸末期創業の老舗団子屋。幸田露伴、竹久夢二、池波正太郎などこのダンゴを愛した先人も多い。だが、悲しいかな、風流とは無縁な村長は、単に甘味中毒者の食い意地丸出しでしばらく待つ。
           言問団子② 
           老舗の空気

5~6分で、絵皿に乗ったダンゴが三個。それにお茶。ダンゴは三色で、感じのいい女性スタッフが「こしあん、しろあん、みそあんの三種類です」と説明してくれた。お茶は抹茶ではなく、ほうじ茶。まずはこしあんから。北海道十勝産の小豆を使用、上品な藤紫小豆の色味で、口中に入れた瞬間、さらとしたいいこしあんの風味が広がる。甘みはかなり抑えられている。餅は米粉餅で、伸びはない。
           言問団子③ 
           召上り一人前
           言問団子④ 
           三色の世界
           言問団子⑥ 
           あっさりした洗練

次に白あん。やはり十勝産のてぼう豆を使っているそうで、こちらも白あんの風味が上品。甘味中毒者の村長にはやや物足りない。どちらもさらりとした、洗練された味わい。京都・北野天満宮前で食べた「澤屋」の粟餅のような感動はない。
           言問団子⑦ 
           しろあんの余韻
           言問団子⑧ 
           みそあんの絶妙
           言問団子⑨ 
           お呼びでない?

一番気に入ったのが、みそあん。見た目は黄色い。こしあん、しろあんとは逆で、外側がクチナシで黄色く色付けした米粉餅。中が白みそあん。京都の白みそを使っているそうで、しろあんとみその風味がとてもいい。外側の餅との相性が絶妙。これを串ダンゴにしたら、きっと美味いだろうな、というあまりに俗な思いがついよぎるのだった。

本日の大金言。

ダンゴの原点は一個だが、串ダンゴの原点は5個だったようだ。それが4個になり、今では3個もある。ダンゴも人間の味もデフレが進んでいる?





                         言問団子10 





 
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赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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