メヒカリ唐揚げとなめろう茶漬け

 福島・いわき市の夜を散策することにした。3.11以降、復興に携わる作業員や最近は大型商業施設イオンモールの建設などでそれなりに活気はある。しかし、その底に流れる厳しい現実を思うと、単純には喜べない。だが、それは旅行者の単なる感傷に過ぎないかもしれない。浜通りの気性は明るい。日々の生活がある。

南口飲食街で女将がさらりと漏らした言葉。「あれからメニューを増やしたんですよ。作業員の皆さんが肉が好きな方が多いんです。魚介類だけではやっていけないので肉のメニューを増やしたんですよ」。
           漁夫① 
           うむ、いい店構え

南口の飲み屋街は実に魅力的で、あちこちのぞく。村民2号が呆れるように「まるで水を得た魚ね」。レンガ通りで、いい店構えの居酒屋を見かけた。「沖料理 漁夫(ぎょふ)」という看板と暖簾。「ここがいいわ。きれいなのも私向き」と村民2号。調べてみると、市内に3軒あるうちの本店格の店だった。入り口のメニュー板に惹きつけられる。「メヒカリから揚げ」と「なめろう茶漬け」。決まり!
           漁夫② 
           入るっきゃない

暖簾をくぐると、すぐL字のカウンターがあり、コック帽の板さんが忙しそうに料理に励んでいた。左手が個室になっていて、奥は見えない。きれいな女性スタッフが「カウンター席でよろしいですか?」。個室は予約席だそう。暑かったのでまずは生ビール(中550円)を頼む。
           漁夫③ 
           お通しはタケノコ煮

「厚焼き玉子」や「シーザーサラダ」をつつきながら、生ビールでのどを潤す。「シーザーサラダが気に入ったわ。ジャガイモが角切りで入っているのがアイデアで旨い」と村民2号は上機嫌。だが、村長の本命は「メヒカリから揚げ」と「オリジナルなめろう茶漬け」。どちらも680円なり。

メヒカリは「いわき市の魚」として3.11以前に売り出した深海魚で、見た目はシロギスのよう。2年前にいわきに来たときにその唐揚げを食べて、脂の乗った白身の旨さに感嘆したものだ。多分、房総か東北沖のメヒカリを使っているのだと思う。頃合を見計らってまずは「メヒカリのから揚げ」を頼んだ。「末廣純米吟醸無濾過」(800円)を頼むことも忘れない。
           漁夫⑤ 
           メヒカリから揚げ

しばらくしてレモンを添えた「メヒカリから揚げ」がやってきた。これが2年前と変わらず美味だった。脂の乗ったナイスバディのメヒカリが4匹。カラリと揚がっている。レモンを絞ってから、ガブリと行く。塩加減と白身の脂の甘みが絶妙な味わい。ポン酢に付ける。うむむの時間が流れる。
           漁夫⑥  
           いわきのシンボル魚
           漁夫⑦ 
           白身の美味

締めに「なめろう茶漬け」を頼んだ。目の前のコック帽の板さんが鯵(あじ)とネギを包丁でたたき始める。軽やかな音。しばらくして、炊き立てのご飯のうえに三つ葉となめろうが盛られたお椀と鰹(かつお)の出汁の入った急須が置かれた。なめろうの中央にはウズラの卵が鎮座していた。鰹の出汁をしずしずとかける・・・。
           漁夫10 
           なめろうに熱々の出汁
           漁夫11 
           絶妙の世界
           漁夫12 
           ま、食ってくなんしょ

「シソの葉もみじん切りで入ってて、それがいいアクセントになってる。これもイケるわ。私は初めて食べたけど、こういう食べ方もあるのね。メヒカリから揚げといい、料理の出し方といい、この店は全体的にレベルが高い。いい店なのは間違いないわ」

外に出ると、「がんばっぺ!いわき」の旗が夜空にはためいている気がした。「国民の生命と財産を守る。皆さん、そうしなくてもいいんですか?」と声高に言い募るどこかの首相にとって、国民とは誰のことを指すのか。ひょっとして「自分たち」の間違いではないか? その答えが福島と沖縄にシンボリックにあるのではないか・・・まずは総理とその取り巻きから戦場へ。

本日の大金言。

どうもマスメディアもヘンだ。東京新聞を除いて、フツーのことがフツーに言えなくなってきている。山本七平の「空気の研究」が甦る。一体どうしちまったんだい?




                       漁夫14 

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プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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