そばよしに匹敵?立ち食いの希望
時々立ち食いそばを無性に食べたくなる。これまでかなりの数の暖簾をくぐったが、立ち食いそばのシンプルな旨さという点では、東京・日本橋の「そばよし」、茅場町の「亀島」が横綱格だと思う。むろん村長の中で、という意味である。だが、立ち食いの世界も奥が深い。意外な発見に驚かされることも時に出てくる。
メディア関係の会合に出席するために、新橋駅で降りた。汐留口を出る。目的は飲む前の腹ごしらえ。以前、B級シンジケートの友人から、「新橋駅前ビル1号館地下に旨い立ち食いそば屋があるから一度行ってみなよ」と言われていたことを思い出したからである。この周辺はエンタメ新聞社時代に何度も来た場所。
新橋駅ビル1号館地下1階
新橋駅前ビル1号館は昭和41年(1966年)に完成。日本が高度経済成長期をおう歌していた時代で、ちまたには「恍惚のブルース」や「君といつまでも」が流れていた。「空に星があるように」もこの年。今から思うとハチャメチャだが、夜空が抜けていたような時代。植木等の「スーダラ節」が大ヒットしたのはこの4~5年前。サラリーマンは気楽な稼業ときたもんだ・・・。今ではSFの世界。
サラリーマンの街に誕生した当時高層の駅前ビルは、今も健在で、その地下にはいい食堂や飲み屋がある。時刻は午後6時過ぎ。立ち食い「おくとね」はその一角にあった。昭和の立ち食いそば屋のシンプルな佇まい。ホントの立ち食いで、20人も入れば一杯だろうという狭さ。だが、奥の店主をひと目見た瞬間、「これは」と思った。どこかお世話になった作家の高杉良さんと似ていた。職人の気配。
隠れるように名店
メニューはそう多くない
券売機で「まいたけ天そば」(450円)を買うことにした。B級の友人は「まいたけ天」を薦めていたからである。見回すと、さり気なく額が飾ってあり、そこに「立ち喰いだからと侮るなかれ・・・(中略)しかとご賞味あれ」と書かれていた。うむ。店主の矜持(きょうじ)だろう。4~5分ほどで、「まいたけ天そば」が出来上がった。驚きの光景。
うむむ
驚きの世界
まいたけ天が、普通イメージするものとはあまりに違っていた。丸ごと揚げるのではなく、細かく切っていて、それがまるで畳のように薄く大きく揚げられていて、それがドンブリからはみ出ていた。しかもその中央には見るからに新鮮なネギがちょこんと乗っかっている。いい加減に見えて寸分の隙もない。まるで利休の世界。
七色をぱらり
極致か?
まずはツユをひと口。土佐かつおを使った出汁がシンプルに効いていた。雑味がない。まろやかな、深い旨味。そばもコシといいのど越しといい、立ち食いのレベルとしては上々。まいたけ天は揚げ置きだが、見ていると、よく売れているようで、店主が追われるように揚げていた。カラッとした歯ごたえ。かようなまいたけ天は他にないのではないか?奥利根のまいたけを使っているそう。
そばもレベル以上
ま、ガブッと
店主と話がしたくなった。客がすくのを待って、少しだけ話を聞く。
「店は20年になります。出汁からしっかり作っているので、結構手間ひまかかるんですよ。化学調味料とかは一切使ってません。まいたけ天はすぐなくなる。また、揚げなきゃ」
職人がいる
首に巻いた黄色いタオルにいい汗が流れている。「そばよし」や「亀島」に負けない立ち食いそばを見つけた思い。歴史的な新橋駅ビルの地下にいい立ち食いそば屋がある。昭和の匂いのするいい職人がいる・・・それだけで、村長は幸せな気分になるのだった。
本日の大金言。
夕空を見れば星がある。下を見ればいい立ち食いがある。ポケットの中に希望はあるか・・・もう一度、原点を見つめることもたまにはいい。
メディア関係の会合に出席するために、新橋駅で降りた。汐留口を出る。目的は飲む前の腹ごしらえ。以前、B級シンジケートの友人から、「新橋駅前ビル1号館地下に旨い立ち食いそば屋があるから一度行ってみなよ」と言われていたことを思い出したからである。この周辺はエンタメ新聞社時代に何度も来た場所。

新橋駅ビル1号館地下1階
新橋駅前ビル1号館は昭和41年(1966年)に完成。日本が高度経済成長期をおう歌していた時代で、ちまたには「恍惚のブルース」や「君といつまでも」が流れていた。「空に星があるように」もこの年。今から思うとハチャメチャだが、夜空が抜けていたような時代。植木等の「スーダラ節」が大ヒットしたのはこの4~5年前。サラリーマンは気楽な稼業ときたもんだ・・・。今ではSFの世界。
サラリーマンの街に誕生した当時高層の駅前ビルは、今も健在で、その地下にはいい食堂や飲み屋がある。時刻は午後6時過ぎ。立ち食い「おくとね」はその一角にあった。昭和の立ち食いそば屋のシンプルな佇まい。ホントの立ち食いで、20人も入れば一杯だろうという狭さ。だが、奥の店主をひと目見た瞬間、「これは」と思った。どこかお世話になった作家の高杉良さんと似ていた。職人の気配。

隠れるように名店

メニューはそう多くない
券売機で「まいたけ天そば」(450円)を買うことにした。B級の友人は「まいたけ天」を薦めていたからである。見回すと、さり気なく額が飾ってあり、そこに「立ち喰いだからと侮るなかれ・・・(中略)しかとご賞味あれ」と書かれていた。うむ。店主の矜持(きょうじ)だろう。4~5分ほどで、「まいたけ天そば」が出来上がった。驚きの光景。

うむむ

驚きの世界
まいたけ天が、普通イメージするものとはあまりに違っていた。丸ごと揚げるのではなく、細かく切っていて、それがまるで畳のように薄く大きく揚げられていて、それがドンブリからはみ出ていた。しかもその中央には見るからに新鮮なネギがちょこんと乗っかっている。いい加減に見えて寸分の隙もない。まるで利休の世界。

七色をぱらり

極致か?
まずはツユをひと口。土佐かつおを使った出汁がシンプルに効いていた。雑味がない。まろやかな、深い旨味。そばもコシといいのど越しといい、立ち食いのレベルとしては上々。まいたけ天は揚げ置きだが、見ていると、よく売れているようで、店主が追われるように揚げていた。カラッとした歯ごたえ。かようなまいたけ天は他にないのではないか?奥利根のまいたけを使っているそう。

そばもレベル以上

ま、ガブッと
店主と話がしたくなった。客がすくのを待って、少しだけ話を聞く。
「店は20年になります。出汁からしっかり作っているので、結構手間ひまかかるんですよ。化学調味料とかは一切使ってません。まいたけ天はすぐなくなる。また、揚げなきゃ」

職人がいる
首に巻いた黄色いタオルにいい汗が流れている。「そばよし」や「亀島」に負けない立ち食いそばを見つけた思い。歴史的な新橋駅ビルの地下にいい立ち食いそば屋がある。昭和の匂いのするいい職人がいる・・・それだけで、村長は幸せな気分になるのだった。
本日の大金言。
夕空を見れば星がある。下を見ればいい立ち食いがある。ポケットの中に希望はあるか・・・もう一度、原点を見つめることもたまにはいい。

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