水戸の絶妙「老舗カレーライス」

 突然、海が見たくなった。あれま、どうしちゃったの? どこかの三文ドラマの出だしのようだが、これには理由がある。友人でストックホルム在住の瘋癲(ふうてん)北欧先生がこのところブログを休みがちで、久しぶりにブログを再開した。理由はパソコンの不具合だったようだが、「月の船」という日本の創作グループの展覧会のことや、村長のブログのことまで書いてくれている。ネットは確かに国境を越える。

その中で、メーラレン湖→大西洋→ホルムズ海峡→太平洋→黒潮→日本へとつながる「水」のことを書いている。村長にはまったく欠けている視点と世界観で、文章と同時に写真が印象に残った。で、ちょっくら海でも見てくるか、につながったというわけだ。ひょっとしてスウェーデンが見えるかもしれない。ポンコツ車を飛ばして、房総から大洗海岸までプラプラ走った。残念ながらスウェーデンは見えなかったが、代わりに腹が減った。
              茨城沖 
              誰もいない海(茨城・大洗)

水戸市内で遅めのランチを取ることにした。水戸芸術館のある大町通り沿いでいい雰囲気のレストランを見つけた。「西洋堂」という看板。入り口のメニューボードに「本日のランチ」が書かれていて、「カレーライス」(750円)に目が行った。調べてみたら、1906年(明治39年)創業の老舗フレンチレストランで、皇室御用達のレストランだった。うむ。
              カレーライス 
              いい店、めっけ!

店は二つに分かれていて、敷居の高いフレンチレストランと大衆的なコーヒーハウス。当然、ウマズイめんくい村の怪しい一行は大衆側に入った。入った瞬間、そのアートフルな世界に目を見張らされた。ガラス張りの大きな窓、そこから見える植物の緑、緑色の長いソファ、木のテーブル・・・水戸が芸術の街だったことを思い出した。村民2号も「いいわね」とひと言。
              西洋堂③ 
              うーむの世界
              西洋堂② 
              ぶな豚のカレーライス

時刻が1時半を過ぎていたせいか、客は2組ほど。その一角に腰を下ろして、メニューの中から「ぶな豚のカレーライス」(750円)を選んだ。村民2号は有機栽培のコーヒーも頼んだ。7~8分ほどで、福神漬けとラッキョウが置かれた。盛りがいい。だが、よく見ると、ラッキョウではなくタマネギの酢醤油漬けで、これが意外に美味。
             西洋堂⑤ 
             福神漬けとラッキョウ?

さらに5分ほど待つと、あの銀色のカレーポッド(グレビーボート)にたっぷりと入ったカレールーと白い磁器皿に盛られたライスがやってきた。本格的なイギリス風カレーライス。よく煮込んだ濃厚な色、立ち上るいい匂い。豚肉がゴロッと潜んでいた。常陸牧場のぶな豚という茨城のブランド豚で、柔らかさと脂身のバランスが売り。
             西洋堂④ 
             老舗洋食屋のカレーライス
             西洋堂⑥ 
             ぶな豚の美味

それをゆっくりとライスにかける。スプーンで口中へ。ふくよかな旨みとかすかな酸味。バターの香りとフライパンで炒めた小麦粉の風味が潜んでいる。ぶな豚は実に柔らかく、赤身と脂身がきれいな味わい。タマネギがいい具合に絡む。スパイスがほどよい。フツーに旨い。ライスもふっくらと炊かれている。フレンチのコックの腕前がいいレベルだとわかる。上野精養軒や銀座資生堂のカレーライスと比べてもさほどそん色はない。
             西洋堂⑧ 
             しばし待て
             西洋堂⑨ 
             旨味の競演
             西洋堂3  
             あーん

「老舗レストランのカレーって感じね。さり気なく奥行きが広い。コンクリート打ちっぱなしの壁と絵や版画、それにオブジェもさり気ない。ウッディーな床も悪くない。雰囲気込みで東京だとこの値段じゃとても味わえないわ。もう少しいたいから、自家製ケーキとコーヒーを頼もうかな」
「村長は水でいいよ」
女性スタッフが新しい水を注ぎに来た。その水がひょっとしてスウェーデンまでつながっている? もう一人の人気ブロガー渓流斎さんも最近なぜか元気がない。慌てることはない。時間が解決することだってある。孤独が一流を作ることだってある。コップの水を見ながら、三流未満の村長は自分にも言い聞かせるのだった。

本日の大金言。

カレーライスには水がよく似合う。戦後の三大料理はラーメン、カレーライス、かつ丼だと思う。いずれもキラキラする水が側にあった。



                         西洋堂10 




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プロフィール

赤羽彦作村長

Author:赤羽彦作村長
あの!エンターテインメント新聞で記者、デスク、編集プロデューサーとして活躍。思うところあって、原発で揺れるヤポネシアを辺境から見つめ直すべく、イカダを組み、オンボロ旗を揚げ、組織を脱出。荒海に乗り出す。「B級うまいものの宝島」を目指して、櫂をガタガタと漕ぎ出すことにした。一か八か泥船となるか、間違って宝船となるか?
特に麺類と和菓子にはうるさい。「舌の上から斜めに世界を見る」などとほざいている。はっきり言ってバカの3乗である。年齢不詳。乙女座、AB型。村民を募集している。

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